電動アシスト自転車の事故が急増
電動アシスト自転車の事故が急増しています。コロナ禍で通勤時に満員電車に乗ることをためらう人が増えて、その分、マイカー通勤や自転車が急増しました。原付と違って運転免許が必要なく、普通の自転車よりは電動アシストが付いている分、運転が楽。原付と自転車の間のような存在でしょうか。
交通事故分析センターの調べでは、令和2年度には2642件の電動アシスト自転車がらみの事故が起きており、平成22年の1163件から比べれば2倍強に増えています。昨年の販売台数は74万台で、普通の自転車の55万台を上回っているそうです。今は、電動アシスト自転車の方が、普通の自転車よりもたくさん走っているんですね!
電動アシスト自転車の事故は急増していますが、逆に原付の事故は減ってきているそうです。最近では、自動車の免許返納が叫ばれるようになり、電動自転車の利用者は増える一方です。特に高齢者や女性に人気が高く、事故死した人の割合も、やはり高齢者と女性が大半を占めるようです。
自転車にも言えることですが、利用者があまり交通ルールを守らないのも一因です。自転車も、道路交通法の適用を受ける「車両」の仲間なので、左側通行です。ましてや逆行などはしてはいけません。また、細い道から広い道へ交わる交差点などでは、一旦停止が必要ですし、信号無視も多いかもしれません。
電動アシスト自転車の危険性
アシスト付きで、脚力の弱い高齢者や女性に人気の電動アシスト自転車ですが、普通の自転車にはない危険性があります。まず車体が重いこと。親子で乗ることが出来る二人乗り用の電動アシスト自転車だと、乗る人の体重も加えると100キロを超えると言われています。この重さで歩行者にぶつかっては当然危険ですし、転んだ時の衝撃も比較になりません。
また、アシスト機能のスイッチが入った状態でペダルをこぐと、急加速されることがあります。これが、意図しないスピードが出て、事故の原因となることがあります。他人にぶつかったり、利用者自身が怪我をすることにつながります。必ず、両足を地につけた状態から、アシスト機能を使いましょう。よくケンケン乗りをする人がいますが、アシスト機能を使う場合は大変危険です。停止中は、ペダルから足を外し、両足を地につけた状態でブレーキをかけておきましょう。
ペダル付き電動自転車とは別
電動アシスト自転車によく似たものに、ペダル付き電動自転車があります。電動アシスト自転車は、あくまで人力で動かすのが主で、それを電動でアシストするものです。これに引き換え、ペダル付き電動自転車は、電気の力だけで自走します。種類としては原付の部類に入り、原付に乗ることのできる運転免許証が必要となります。混同しないように注意してください。
自転車でも取り締まりがあります
2021年の4月15日、警視庁の有識者検討会で、交通ルールを守らない自転車利用者に、少額の違反金を科す方向性を示しました。取り締まり自身は、2004年ごろから増えていましたが、違反金制度はありませんでした。
2015年6月1日に道路交通法が改正され、14歳以上の運転者が、信号無視、スマホを操作しながらの走行、酒酔い運転など、14項目の危険行為を理由とする交通違反を3年以内に2回以上行うと、警察本部や運転免許センターでの3時間の安全講習を義務付けられました。講習手数料は5700円で、3か月以内に受講しないと、5万円以下の罰金が科されます。
ちなみに罰金と違反金というのは少し違います。罰金は、略式起訴を経て、前科が付きます。違反金は、前科扱いされません。もっと手っ取り早く、お金で解決してしまうものです。それゆえに、簡単に前科の付く罰金刑にはならなかった経緯があります。これを、もっとしっかり取り締まり、責任を取らせることが出来るように、自動車や原付と同等に違反金制度を設けようというものです。
結局は、自転車利用者の反発が予想されるということで、2021年12月には見送りとなりましたが、この議論はこれからも続くと思います。暴走する自転車のせいで、優良運転者が肩身の狭い思いをするのはおかしいですが、交通ルールは守って当たり前ですからね。第一に、自分や大切な人の命を守ることにつながるのですから。
保険にも入っておきましょう
2015年10月、兵庫県で初めて、自転車運転者の保険加入義務が始まりました。自転車運転者の皆さん、保険には加入していますか?現在では、全国的に義務化の流れが広がっています。
自転車の保険と一口に言っても、二つの保険があります。
- 個人賠償責任保険(加害者になった時、相手に弁償するための保険)
- 傷害保険(自分が怪我をしたときの保険)
この二つをセットにした、「自転車保険」も、たいていの損害保険会社で販売していますが、他の保険にすでにセットされていることもあるので、確認してみて下さい。
個人賠償責任保険は、火災保険や自動車保険によくセットされています。自転車事故だけでなく、例えば買い物先のお店で、うっかり高価な商品を壊してしまった!なんて時も使える保険で、よくセットされています。
傷害保険は、怪我をしたときに保険金がもらえる保険ですが、どんな時に怪我をしたか、制限がある場合があります。普通の傷害保険では、料理をしていて包丁で手を切ってしまったとか、スポーツの最中に怪我をしたとか、どんな場合でも保険金の対象になりますが、よく「自転車保険」でセットされているのは、交通事故の時だけに制限した傷害保険です。どうせ入るなら、幅広く、普通の傷害保険に加入することをおすすめしますが、もちろん制限された分、保険料がお安いので、そこはご自由に。
まとめ
以上、電動アシスト自転車の事故が急増したお話でした。私は普通の自転車しか乗ったことがありませんが、上り坂でひーひー言いながらあくせくしている横を、すーっと電動アシスト自転車に抜かれると、買い替えようかとも思いました。運転者のみなさん、安全運転を心がけてくださいね。

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