値上げラッシュ
今年4月1日付で、小麦や食用油が値上げすると発表があってから、値上げラッシュが止まりません。ガソリンの高騰に悲鳴を上げている間に、6月1日からも、多くの商品が値上げされました。来月の4日からは、とうとうコンビニチェーンのセブンイレブンのカウンター珈琲も値上げを発表しました。
3000品目って、かなりの数ですよね?家計への影響は必至です。コロナ禍で仕事が制限され、収入の減ったご家庭も多いことでしょう。みんな、思いつく節約はし尽くしたことと思います。そろそろ疲れてきたころではないでしょうか。そして、憩いタイムを演出してくれる100円コーヒーが、来月からは110円に値上げです。
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小麦や食用油は、ロシアのウクライナ侵攻の影響が世界中で広まっていますし、原油高もそうです。小麦や食用油が値上がりすれば、それを使う食品にダイレクトに反映します。原油は、ガソリンが値上がりすることで、輸送代に跳ね返りますから、こちらはほぼすべての商品に上乗せされるかたちになります。影響を受けない人はいないと思います。
それに引き換え、賃金は上がりませんし、ましてやコロナで仕事を失った人も多いですから、収入は激減、支出は激増・・・という泣くに泣けない状況です。
富裕と貧困の二極化が進んでいる
ところで、私たち庶民が値上げに悲鳴をあげているそばで、実は高級品が良く売れています。高級車などはコロナ前に比べて、売り上げが伸びているんですね。コロナ禍であっても、富裕層は投資や権利収入など、不労所得が多いので、さほど影響を受けておらず、首を切られる庶民層とは違い、ますます裕福になっているのです。富める者はさらに富み、貧しいものはさらに貧しくなる。二極化が進んでいます。一億総中流時代は、もう過去の出来事なのです。
→ 経済大国で加速する貧困 コロナで鮮明になる貧富二極化 ←
ろくに三食食べられない子供たちに向けて、子ども食堂が全国にできたり、まだ食べられる食品を配付するフードバンクなどが広がってきました。このことからも、貧困にあえぐ子供が多くいることがわかります。日本は「失われた20年」と呼ばれる大不況の中、派遣契約を切られ、仕事と共に住まいも失う「派遣切り問題」や、住まいを失ったことによる「ネットカフェ難民」など、本来なら税金を納めて国を支える現役の若者の苦しみもクローズアップされてきました。
「三本の矢」政策で安倍首相の頃、株価が回復した時期もありましたが、根底からの回復は実感できませんでした。庶民感覚では、景気が上向きになったとはまったく感じられなかったと思います。その上に、コロナウィルスのパンデミックが起き、泣きっ面に蜂状態になりました。
日本の物価はまだ「安い」
こんなに経済が落ち込んで苦しいのに、実は、日本のインフレ率は2%。アメリカは8%ですから、インフレ率だけ見ると、まだまだ日本の物価は「安い」のです。
インフレ率だけ見るとアメリカよりも「安い」ですが、賃金も「安い」ので、相対的に、物価高の負担は重くなるのです。たくさん収入があれば、物価が上がっても別に苦しくはないですよね?問題は、賃金が上がらないのに、物価だけが上がる、ゆがんだインフレにあるのです。正常なインフレは、お金の価値がすべての局面において下がること。賃金も上がり、物価も上がる。労働の価値にたいしてもらうお金も増えていなければおかしいのです。
→ 「スーパーで物を買ったこともあるが、基本的に家内がやっている」日銀・黒田総裁が答弁。物価高めぐる国会質問で ←
日本銀行の黒田総裁も、「家計の所得が伸び悩む中での物価の上昇というのは実質所得の減少を通じて、経済の下押し要因として作用するため望ましくない」と答弁しているので、問題は認識されているでしょう。物価上昇を抑える方向と、賃金を上げる方向と、どちらも岸田総理は取り組まれるようですが、それを待てない庶民は、今のところ、自衛するしか仕方ありませんね。
リボ払いや借金のある人は
私たち庶民が出来ることは、基本的にふたつしかありません。収入を増やす、支出を減らす。そして、借財のある人は、それを小さくすることくらいです。
収入を増やす手立てとして、ひと昔前は残業がありました。基本給が安くても、残業代で稼げたものです。それも過労死の問題なども続出し、難しくなりました。また、残業代が出るような会社に必ずしも勤められなくなりました。ブラック企業で安月給に耐えながら、息も絶え絶えに働いている人もいるでしょうし、正社員と明らかに差をつけられて、不本意ながら非正規雇用に甘んじている人もいるでしょう。それもかなわずアルバイトやパートを転々としている人もいれば、貯金を食いつぶしながら、必死で仕事を探す人もいるでしょう。昨今では、起業やネットビジネスに活路を見出す人もいると思います。
老後2000年問題で一気に不安が駆け巡りましたが、idecoや積み立てnisaなどで、年金を補填しておくのもいいですね。投資信託などをこつこつ積み立てするのもお勧めですよ。
支出を減らすのは、節約しかありません。食費を切りつめてもさほど効果はないので、おすすめは、大きな固定費、例えば家賃(安い部屋に引っ越す、実家で親と同居する、友人と部屋をシェアするなど)、保険の見直し、自動車のグレードダウンまたはリースやサブスク化などが有効でしょう。ネット回線や携帯電話はいろんなキャンペーンがありますから、見直す際にはうまく利用して下さい。
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そして、今、借財のある人は、少しでもそれを減らしましょう。借りたところより利息が安いところがあるなら、そこで借り換える手もあるし、法定利息を超えるような借り方をした場合は、もう支払わなくていいどころか、お金が返ってくることもあります。よくCMで流れている「過払い金」というものです。大きな借金をしたことがなくても、クレジットカードのリボ払いで首が回らなくなっている人もいるのでは?借金で生活が苦しい人は、恥ずかしがらずに、早めに弁護士や司法書士に相談しましょう。自己破産まで行ってしまうと、なにかと大変です。小さいうちに解決しましょうね。

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