生活保護申請が増加
生活保護の申請が、2年連続増加しているそうです。
→ 生活保護 去年の申請件数 前年比5.1%増 コロナ影響長期化(NHK) ←
現在の生活保護は、コロナ禍で働き先を失った現役世代が多いそうです。一昔前は、生活保護を申請するのは、圧倒的に母子家庭でした。離婚して小さい子を抱えて思うように働けない女性や、パートナーの支援を受けられないシングルマザーなど。それが、やがて年金で暮らせないお年寄りが増え、そして現在では現役世代の若者が増えているという経緯をたどります。要するに、どんな人でも働けなくなるリスクがあるということです。
生活保護バッシング
「生活保護 なめんな」問題を覚えていますか?
2017年に、小田原市の生活保護担当職員が、「保護なめんな」とプリントされたジャンパーを10年前から自費で作成し、役所での申請時だけではなく、被保護者への訪問時にも着用していました。ジャンパーの背中には、「生活保護悪撲滅チーム」を意味する「SHAT」、「わたしたちは正義だ。不正受給してわれわれを欺くのであれば、あえていう。そのような人はクズだ」という内容の英文が書かれていました。この人に生活保護を申請しようとする人は、かなりのプレッシャーを受けると思いますね。よほど腹に据えかねた事情があったのでしょうか。
問題のジャンパーは、生活保護を廃止された住民が2007年に市役所内で職員2人をカッターナイフで切りつけた事件を機に、当時の保護担当係長の発案で作製したそうです。あくまで内部の士気を高めるためであって、市民に向けたものではないとの説明でしたが、小田原市は不適切だったとして、抜本的な見直しをしました。厚生労働省の調査によると、不正受給の額は、約0.5%だそうです。ほとんどは、正常な申請であるにもかかわらず、聞こえてくるのはかなり強いバッシングです。
「水際対策」
困った時に生活保護を申請するのは、国民の権利です。役所ではどこでもそう謳っています。しかし、実際に申請してみたことがある人はわかりますが、およそ親切な対応はないと言っていいと思います。民生委員や地域の市会議員など、口利きがない状態で、いきなり役所に相談に行っても、高い確率で門前払いを喰います。親族への扶養照会も、住所があることも、本当は必須ではないのですが、そのように誤解しているのか、あえて知っているけど申請者に誤解させているのか、必ずと言っていいほど、この手の断り文句は出ると思います。出来るだけ国で面倒を見たくないわけです。
このような姿勢の強い自治体と、割と生活保護が通りやすい自治体があるのも事実です。生活困窮者の支援をするNPOのコーディネーターさんは、一度生活保護を断られた要支援者に、通りやすい自治体で再申請させたりします。
「生活保護を受ければいい」菅総理発言
コロナ禍の生活支援が足りないと国民の声が高まった時、当時の菅総理が、「生活保護を受ければいい」といった内容の発言をしました。
→ 菅首相「最終的には生活保護ある」コロナでの困窮問われ(朝日新聞) ←
まずは、生活保護申請に至らないように、もっと充実した手当てが必要ではないかという点が1点。そして、生活保護は、そんなに気軽には申請できない現状を知らないのではという感想を持ちます。生活保護が、本当に国民の当然の権利として認識されていれば、心底困っている人が生活保護を受けずに、自殺したり、餓死したりしません。申請しにくいから、そして申請が通りにくいから、このような事実が起きるのです。
みなさんにとっては、生活保護なんて他人事でしょうか?もし、この不安定なご時世、万が一に備えて知識をつけておきませんか?
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