牛のげっぷが宇宙から見えた!
面白い記事を見つけました。牛のげっぷは宇宙からでもわかるそうです!
カナダの環境データ企業の「GHGSat」の衛星が撮った写真では、カリフォルニア州サンホアキンバレーの農業地域で、牛が出したげっぷに含まれるメタンガスが確認できたそうです。宇宙から、そんなことがわかるんですね!
牛は反すう動物で、一度消化しかけた食べ物を口の中で吐き戻し、さらに時間をかけて消化します。この時、胃の中の微生物がメタンガスを発生させ、牛1頭1日あたり、200~600リットルに上るそうです。世界全体で見ると、家畜の出すメタンガスは、温室効果ガスの4%を占め、しかも温室効果ガスとして有名な二酸化炭素に比べて25倍以上の温室効果があるそうですから、大きな影響があると言えます。宇宙からちゃんと観測できる濃度なのですから、それは温室効果があることでしょう。
今では、メタンガスを抑える飼料を与えたり、メタンガスの発生を抑制する微生物の研究が進んでいます。研究が進めば、もう少し、牛由来のメタンガスは抑えられるかもしれません。
メタンの氷
ちなみに、人間のげっぷにはメタンガスは含まれません。おならにはメタンガスが少量ふくまれますが、たくさんしても温室効果が出るほどではないようです。メタンと言えば、シベリアの永久凍土の中に含まれる、メタンの泡があります。過去のメタン細菌によってメタンガスが作られたそうで、現在は空気の泡となって氷の中に閉じ込められているのが、温室効果で凍土が溶けだすと、一斉に放出されると言われています。
怖いのは、こちらの方ではないでしょうかね。ちなみに、メタン細菌は、酸素のまだなかった原始の地球の主役だった細菌です。太陽がまだ弱かった原始地球を暖めるために、メタン菌が作った温室効果が役に立っていたそうです。
→ 原始地球の気候を支配したメタン菌 ←
過去の温室効果に役立っていたメタン菌が一気に放たれたら・・・。ただ、メタン菌は酸素が嫌いな嫌気性細菌なので、酸素が豊富な現在の地球の大気中では、そう長くは生きていられないようです。それでも、生きている間はせっせとメタンを発生するのですから、少なからず影響はあるでしょう。たとえ短命だとしても、量が多ければ、脅威ではないでしょうか。
10万年ごとに氷期は繰り返す
地球は、およそ10万年ごとに、氷に閉ざされた氷期と、そうではない間氷期が繰り返されるリズムがあるそうです。今は間氷期で、したがってやがて氷期へ向かうはずです。このため、やがて寒くなるのだから温暖化してもいいのではないかという人もいます。温暖化の問題は深い問題なので、ここではそういう意見もあるというだけにとどめておきます。
過去には、火山で大量の二酸化炭素がはき出され、地球を暖めて氷期が終わり、生き物が繁栄する時代を迎えた事実があります。そのころには人間はいませんから、私たちに適した時代だったかどうかはわかりません。また、太陽の力がずっと弱かった太古の地球を暖め、微生物が住める環境をメタン細菌が作ったこともあります。ここで大切なのは、人間も、地球の一員だということです。身の程を超えて、地球環境を変えるほどの温暖化を招いてよいのかということだと思います。
人間が現在している程度の温暖化が、地球という星にとっては折り込み済みのレベルだというのなら、逆に、今必死になって取り組んでいる「脱炭素」の努力も、むなしいものになるでしょう。自然になるように任せ、温暖化がもたらす激変する環境に、対応するしかありません。もしかすると、人間が暮らすには過酷すぎる環境に変化してしまうかもしれませんが。
地球は、当時いた生き物の9割が絶滅するという、大絶滅を5度繰り返してきました。その過酷な変化に耐えきれた、1割に満たない生き物が進化し、生き延びてきたのです。今回の温暖化による激変で、同じような大絶滅が起こらなければよいのですが。それも、変化に適応できない弱小動物のかすかなあがきとなってしまうでしょうか?
人間は、食物連鎖の最上位にいることはいます。しかし、それに胡坐をかいていては、例えば、放射能にも強いと言われるゴキブリのような生き物に、覇権を奪われるかもしれません。もしかしたら、地球を我が物顔で闊歩する、その姿勢を改めるときなのかもしれませんね。

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