特殊清掃(ディスカバー携書)紹介
読んで面白かった本をご紹介します! 今回は『特殊清掃』(ディスカバー携書)特掃隊長著 です。紙の本を好む方は新書で販売しています。kindleのアンリミテッドに登録している方は、読み放題に含まれています。
特殊清掃ってご存じですか? 孤独死で汚れた部屋を元通りキレイにすることです。ご遺体の処理も含みます。他に病院で亡くなったご遺体をきれいにして棺桶に寝かせてあげる遺体処置などもされているようです。ご遺体を扱う仕事ですね。
壮絶な現場の話が多いのですが、もともとブログだったものを本にまとめたもので、語り口がやさしく読みやすい本です。ハエやウジとの闘い、ご遺体が溶けてしまった体液の洗浄、血まみれの現場。挿絵があるとさぞかし凄惨なものになりそうですが、絵はありません。それでも現場を戦ってきた特掃隊長さんの語り口からありありと想像ができます。
凄惨な現場をクローズアップしているというよりは、その場での人間模様が多く、特掃隊長さんが感じた心の動きが語られていて、人間的な魅力にあふれた本です。時に故人を襲った理不尽な運命に怒り、時に故人を思う遺族の温かさに胸を打たれ、自分が亡くなるときはどうだろうなどど想像してしまいます。
人は生まれてきたからにはいつか亡くなります。どのような亡くなり方をするか。選べる人は少ないです。突然事故で命を奪われることもあります。できれば心温まる最期を迎えたいものです。
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凄惨な現場が大丈夫な方は、そちらの描写も興味深く読めると思います。詳細にご紹介するのは控えますが、特にお風呂で亡くなった方は大変なようです。人間は死ぬと溶けてしまうそうで、お風呂の残り湯と一体化してしまうとか。
私は虫がだめなので、ハエ、ウジの描写が個人的にキツかったですね。あと強烈だという臭いの描写も。でも、逃げたらだめなのかなと感じました。人はいつか亡くなるのですから。
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私は鬱の既往症があり、当時には自殺念慮もありました。死ぬことばかりを考えて過ごした日も、実際に未遂をやらかしたこともあります。そんな私ですから余計に響くのです。自殺は周りに迷惑をかける。このような特殊清掃の業者さんがいてくださるから、万が一の時の復旧もしてもらえるのですが。
みなさん。どんなに苦しくても、あと1日。生きてみましょう。昨日までの苦しみがやわらいで、人生に日が差すことがあるのです。明日がどんな日か、わからないですよ。あきらめないで。最後まで。
生きるとは何か。死ぬとは何か。深く考えさせてくれる本です。ぜひ、読んでみてください。
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