人気筋肉系ユーチューバー【bigarm】急死
3月13日、筋肉系ユーチューバーとして人気があった【bigarm】(本名:志村勝洋氏)が11日に急死したと、本人のインスタグラムが更新されました。
享年46歳。人気絶頂のユーチューバーとしては早すぎる死が悼まれます。
彼はステロイドや成長ホルモンを摂取していることを公言しており、また、同じようにステロイドを使用して筋肉をつけたい人のパーソナルトレーナーもしていました。
上腕は腕周りが60センチを超え「日本一の上腕」と話題に。
ステロイドの使用は21年続いたそうですが、昨年12月、使用を中止。
みるみる筋肉量が落ちていくものの、「筋肉量は日に日に落ちてますが健康的を選んだので後悔はないです」と語っていました。
死因ははっきり語られていませんが、他に病気があったとの記事もみませんし、ステロイドの副作用によるものではないかとささやかれています。
もちろん確実な話ではないのですが、ご本人もステロイドを中止したことを”健康的”と表現していますし、何か副作用に苦しめられていたのではないかと想像できます。
「体にガタ来てるんで」
「ちょっと使いすぎたかなって感じで」
という発言が見られます。
3~4年前から少しずつステロイドの使用量を減らしていたそうですが、倦怠感や心臓の圧迫感に悩まされ、最後は4分の1まで使用量を減らしていたとの事でした。
ステロイドを断って3か月ほどで、体重は105キロから92キロに落ち、ステロイドの影響とみられる顔のむくみもなくなり、ファンからは、成長ホルモンもやめて「完全ナチュラル」になったbigarm氏を応援する声が寄せられていました。
ステロイドって怖いの?
ここまでbigarm氏を追い込んだステロイド。
スポーツ選手はドーピングとして禁止されている薬物ですが、そんなに恐ろしいのでしょうか?
ステロイドと聞くと、筋トレ界隈に居ない、一般人だとアトピー性皮膚炎などに使用する、ステロイド軟膏を思い浮かべるのではないでしょうか。
実はステロイドには2種類あります。皮膚治療に使うのは、副腎皮質ホルモン内の糖質コルチコイド。これは、免疫や炎症を抑える効果があります。
筋トレ界隈のステロイドは、アナボリックステロイド。タンパク質の合成を促します。
病院で皮膚科治療のステロイド軟膏などを処方されている方は、今回お話しているアナボリックステロイドとは別物ですので安心してくださいね。
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スポーツ競技に出る際は、アナボリックステロイドはドーピングの禁止薬物ですので、当然禁止ですが、個人的に筋トレをしてボディメイクをしたいだけなら、アナボリックステロイドを使って筋肉を作っても、違法ではありません。
実際、bigarm氏がパーソナルトレーナーをしていたように、アナボリックステロイドや成長ホルモンを使って、ボディメイクを指南する人はたくさんいます。
最近ではクリニックに筋肉増強外来などが出来ていて、医師の指導のもとにボディメイクを出来たりもします。
アナボリックステロイドを個人輸入することも簡単にできます。
クリニックで医師に指導してもらったり、パーソナルトレーナーに指南を乞うと高価になるので、個人で輸入して、自己流で使う人が大半だというのも、突然死を誘発していることと思われます。
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逆に、ステロイドの副作用の危険を広く知ってもらおうと活動している人もたくさんいます。
危険性を訴える医療関係者や、自分が副作用で苦しんだ元使用者などです。
結局のところ、賛否は自分で判断するしかありません。
アメリカではゆうに100万人単位でアナボリックステロイドでボディメイクをしている人がいる一方で、bigarm氏のように、世界中でその副作用で急死する人がいます。
ステロイドや成長ホルモンを使ってボディメイクを試みる方は、一度立ち止まって、危険性をよく理解したうえで使ってほしいと思います。
アナボリックステロイドの副作用
筋肉を大きくするためには、筋トレをして、適度に筋肉に負荷をかけて成長させなければなりません。
しかし、その時に筋肉の分解も同時に起こります。一方的に筋肉がどんどん育つわけではありません。
人間の体には、必要以上に大きく筋肉が育ちすぎないように、ストッパーがかかっています。
どこかの筋肉だけが育ちすぎて、いびつな体にならないのは、このストッパーが調節をしているからです。
アナボリックステロイドは、この調節を壊し、無制限に筋肉が育つことを許します。
そして、その結果、大きな反動がおこるわけです。
アナボリックステロイドは男性ホルモンであるテストステロンと同じ作用も持ち合わせているので、ホルモンバランスが崩れます。
アナボリックステロイドは、短期間での劇的な筋肉増強を実現するとともに、自然で得ることのできる水準を遥かに超えた筋肉成長を促す作用から、スポーツ選手らの間で長年にわたり使用されてきた歴史があります。筋肉の増強作用は顕著であるものの、多くの副作用が知られており、例えば肝障害、肝臓がん、前立腺がん、高コレステロール血症、高血圧症、心筋梗塞、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群、性腺刺激ホルモン分泌低下性機能低下症、体液性免疫異常、ニキビ、筋断裂、毛髪の消失、しわがれ声化あるいは金切り声化などです。国立がん研究機関によれば、ヒトに対する発がん性(Group2A)を有し、白血病の発症リスクを有意に上昇させることも知られています。
筋肉増強剤(アナボリックステロイド)と動物用医薬品
たくさんの副作用が並んでいますね。
急死につながるのは心臓発作でしょう。スポーツ選手のステロイド摂取による急死例は、これによるものが多いようです。
アナボリックステロイドによる突然死の原因
アナボリックステロイドを使用すると、具体的にはどのような原因で突然死を起こすのでしょうか。
こちらのYouTubeに詳しく解説されています。
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アナボリックステロイドは実は、医療機関で普通に薬として処方されています。
もちろん、筋肉を増強してかっこいいボディをつくるためではありません。
大きなやけどを負った時など、筋肉を回復させる効果を狙ったり、ホルモン作用があるので、男性更年期の改善のため、処方されたりしています。
筋肉増強のために使う場合は、医療用で使う10倍以上の量を使います。
病院で保険診療にのっとった形でアナボリックステロイドを処方されている方は、全く問題ありませんのでご安心ください。
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筋肉増強のために、通常に10倍以上の量を、バンバン使った場合は、以下のような副作用が起きます。
1)血圧が上がる
→血管内部に傷がつく
→動脈硬化になる
→血管が細く、ボロボロになる
2)悪玉コレステロールが高くなる
→動脈硬化になる
→血管が細く、ボロボロになる
3)異常な量の筋肉が付く
→たくさんの酸素を送らなければならない
→心臓に負担がかかる
血管が細くてボロボロになっている状態で、異常な量の筋肉に大量の酸素を送るので、心臓はオーバーワークを起こします。そして心不全や狭心症発作などを引き起こすのです。
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最近では、アナボリックステロイドに代わり、インスリンを大量に使う人も増えているそうです。
インスリンにも筋肉を増強させる作用があるのですが、もともと血糖値を下げる薬ですので、血糖値を下げすぎた結果、昏睡状態になり、そのまま亡くなることも増えています。
また、多数の薬剤を使うことで、薬剤性の急性膵炎になることもあるそうです。
他にシンソールという合成油脂を筋肉中に注入して、外見を大きくする方法を好む方もいるようですが、こちらも筋肉に致命的なダメージを与える危険性があるので、要注意です。
今回も最後まで読んでくださって、ありがとうございました。感謝です!(春香拝)
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