金井高輪の硫酸事件にみる異常性

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毒物 B級ニュース

金井高輪駅での硫酸事件

2021年8月24日の夜。帰宅を急ぐ会社員の後をつけた犯人は、駅のエスカレータで被害者を追い抜きざまに硫酸を浴びせました。

犯人の名前は花輪弘卓(はなもり・ひろたか)。犯行当時、静岡大学の4回生。

被害者の会社員は、静岡大学の前にいた琉球大学での後輩。同じ映画サークルのメンバーでした。

事件直後は犯行の動機として「年下のくせに、タメ口で腹がたった」「馬鹿にしているような態度をとられた」と語っていました。

当初は被害者の会社員が、犯人の花森容疑者を馬鹿にした末の怨恨ではないかと言われていましたが、調査が進むにしたがって、そこまでの関係性ではなかったことが明らかになっていきました。

被害者の会社員は、当初、花森容疑者が先輩であると知らなかったらしく、同級生だと思ってため口で話しかけていたとのこと。

先輩だと気づいた時点で、敬語の方がいいかと花森容疑者に聞いたところ、本人が「今のままでいい」と許可しているのです。

それにもかかわらず、事件の動機として「ため口」を挙げているところから見て、本心では不服だったのでしょう。

嫌なことをきちんと伝えられない、そんな犯人の人間像が見えます。

LINEのブロック

二人の関係がこじれたとすれば、花森容疑者が「沖縄にいくから家に泊めてくれ」と被害者にLINEを送ったところ、話がこじれ、結果として被害者の会社員がLINEをブロックし、宿泊を拒否したことでしょうか。

2020年9月、花森は疎遠であった被害者男性に突然LINEで「来週、沖縄に行くんだけど泊めてくれないか」と連絡を入れます。

被害者男性は快く「いいよ」と返信したのですが、なぜか花森は突然怒り出し、「年上に向かってタメ口を聞くな」「節度のある態度を求めます」などと文句のメッセージを送りつけてきました。

この時、4年生で卒業論文の制作に追われていた被害者男性は、忙しい時期のうえ、コロナ禍でありながら宿泊を承諾したのになんでこんな反応をされなければならないのか、と花森に嫌悪感を覚えたといいます。

そして「サークルの同期で友人だと思ってきましたが、そのような関係を強要されるのなら家には泊められない」と返信し、花森のLINEをブロックしたとのことです。

WONDIA

いやいやながら同級生のような口利きを我慢してきたのが、思わず口に出たのでしょう。

先輩として敬語を使ってほしいのなら、当初からそういうべきでした。でも、花森容疑者はそれをうまく伝えられないまま、鬱屈とした感情を募らせていたようです。

この”LINEブロック事件”はこれで終わらず、二人の関係はさらにこじれます。

花森のLINEをブロックした約2週間後、被害者男性のもとに住所以外がすべてアルファベットで書かれた奇妙な茶封筒が届きます。

差出人は大学時代に同じサークルにいた留学生で、封筒の中には以下のような文言が綴られた手紙が入っていました。

”中に折りたたまれて入っていたA4サイズ1枚の紙には「絶縁します」「お前みたいな低脳には分からないだろうが俺は先輩だ」「あなたにまじないをかけた。君が反省すれば解くヒントが見つかる」とつづられていた。”「僕はなぜ襲われたのか」 硫酸事件被害者 初めて口を開いた

これを見た被害者男性は送り主はサークル仲間の留学生ではなく花森だと察し、気味が悪くなってすぐに手紙を捨てたといいます。

WONDIA

普通の感覚の人間なら、宿泊を拒否され、LINEをブロックされた時点で、相手を無視するくらいのところだと思います。

花森容疑者は、かなり粘着質ですね。執拗に「自分が先輩なのに、お前は敬意を示さない」と恨みをこじらせ、攻撃の手紙を送りつけています。

しかも、自分の名前を記すことなく、別人の名前を使い、しかも暗号めいたアルファベットを添えるという気味悪さ。

粘着質ですが、同時に自身をひけらかすことのできない臆病さもあるようです。

もともと、自分が先輩なのだから敬語を使えと、最初に映画サークルで被害者に伝えればよかった話です。

それを出来なかったくせに、本心では恨みに思っていたところに、今回の事件のカギはありそうです。

居場所を特定される

事態はさらにこじれていきます。

花森容疑者は、着々と被害者の会社員に近づいていきました。

手紙以降、花森から接触してくることはなかったものの、2021年の4月頃には琉球大学時代の友人から、花森が自分の家や勤務先を調べて回っているとの噂を聞いた被害者男性は「LINEの件でそこまで恨まれていたなんて」と、危機感を覚えたといいます。

そして2021年7月下旬、仕事帰りの被害者男性が深夜に東京メトロ南北線の六本木一丁目駅の改札を通ると、後ろから「おーい」と呼びかけられ、振り返ると花森が立っているという不気味な出来事が起きたのです。

六本木一丁目駅は被害者男性の自宅最寄り駅ではなく、この日はたまたま違うルートで帰ろうと利用しただけでした。しかし待ち伏せでもしていたかのように姿を見せた花森は、ついて歩いてきて、タクシーにまで一緒に乗り込んできたそうです。

タクシーでの移動中、花森は「今は寄生虫の研究をしている」「取り掛かっている研究でノーベル賞候補になるかもしれない」「オリンピックの通訳を頼まれて、研究の合間を縫って東京に来た」などと話し続けていたといいます。

LINEでのやり取りやブロックをしたことについて謝ると、「もう怒ってない」と返されたため、被害者男性は気味の悪さを感じつつも、わだかまりはなくなったのだと胸をなでおろしました。

しかし、その約1ヶ月後に花森は白金高輪駅硫酸事件を起こしたのです。

WONDIA

花森容疑者の態度に嫌悪感を覚え、サクッとLINEをブロックするあたり、被害者の会社員男性は、今時の普通の若者だなと思います。

しかし、粘着質の花森容疑者にとっては、許せないことだったようです。

タクシーの中で犯行には及びませんでしたが、タクシー内での会話を見ると、大言壮語的な面が見えますし、「(LINEブロックを)もう怒っていない」というのも本心に反する言葉だと思います。

花森容疑者にとっては、たまたまこの時は犯行の時ではなかったのでしょう。

これで被害者の男性は、仲直りができたと安心してしまいます。

直感的に感じた「気味の悪さ」をもっと大切にして、危機感を持った方がよかったかもしれません。

花森容疑者の人間性

花森容疑者は、静岡の裕福な家庭に育ちました。

父親は日本人ですが、母親は中国人です。大変な美人で、お医者様だとか。

花森容疑者自身は、両親に愛され、昆虫を好み、将来は生物学者になりたいという夢を持つ、おとなしい少年だった一面を持ちながらも、学校では気味悪がられ、常に保護者間で問題になる児童でもありました。

「事件の報道を見て、すぐに『花森くんだ!』と気づき、驚きました。彼のことをなぜ覚えていたかというと、花森くんは学校内で悪名高いイジメっ子だったんです。コソコソと気に食わない子を執拗にイジメていた。その子に毛虫やナメクジを無理やり食べさせていたこともありました」

同級生が明かす残酷素顔 “硫酸男”花森弘卓容疑者のイジメっ子時代

ほかにも「昆虫が好き」といいながら、捕まえてきたバッタを教室備え付けの鉛筆削りに詰めて殺すなどしており、生き物相手にも残虐な行為をしていた様子です。

中学に進んでも問題児ぶりは変わらず、普段はボソボソ喋る目立たない生徒でありながら、美術の授業が終わった後に、隣の席の女子に彫刻刀を突きつけるという事件を起こしたことがありました。

学校で起きたこととはいえ、凶器が彫刻刀とあれば立派な障害未遂事件です。ところが担任の教師が厳しく叱ってもニヤニヤ笑い返すだけで、反省している様子はまったく見られなかったそうです。

また、キレると何をしでかすかわからない面もあったようで、体育の授業中に自分にぶつかった生徒に腹を立て、階段から突き落として骨折させることもあったといいます。

WONDIA

非常に残虐なところがあり、自分に向けられた些細な悪意も倍返しする傾向が見て取れます。

また突然キレるなど、突発的な行動をすることもあるようで、精神的に成熟していないようです。

学校の勉強にもたびたび遅れ、高校生では1年留年もしていますから、学習障害などの発達障害もあったかもしれません。

その反面、好きな昆虫の研究などには没頭していた様子です。

琉球大学を中退後、静岡大学に特待生として編入していますが、この時は、得意の昆虫研究などがある程度認められたのではないかと言われています。

好みの女生徒をストーカー

白金高輪駅硫酸事件でも被害者男性への異常な執着を窺わせた花森弘卓ですが、高校3年時にも予備校で知り合った女子高生に執着し、ストーカーに近い行動をしていました。

花森は通っていた予備校で「陽キャ」と呼ばれるようなアクティブな友人を介して、清楚系で美人な女子高生に出会い、彼女にドハマリしたといいます。

学校の友人には「三次元の女は無理」と言っていた一方、彼女の前ではアニメ好き、ボカロ好き、昆虫好きといった女子にひかれそうな要素は封印し、優秀な医者家系の頼りがいのある男を演じていたようです。

しかし如何せん女性慣れしていないせいか距離のとり方がおかしく、複数人で話している時にも意中の彼女にしか話しかけない、彼女の話にしか反応しないなどして周囲を戸惑わせていました。

また彼女がサラリーマン風の男性にナンパされたという話を聞くと、頼まれてもいないのに見守り活動を始め、女友達を押しのけて一緒に帰ろうとしはじめたのです。

さらに彼女の誕生日には地面に片膝をついて赤いバラを手渡したうえ、なぜかヤドカリのペアをプレゼントしたといいます。そして相手が気を使ってヤドカリを受け取ってくれると、花森は自分の気持ちが受け入れられたと勘違いしたのか、予備校内でも彼氏面をするようになっていきました。

常に隣に座ってジロジロと見てくる、髪の毛を触ってくる、自分より成績が悪いにもかかわらず「勉強、教えてあげようか」と言ってくるなど、あからさまな態度を取ってくる花森に、女子高生も警戒心と嫌悪感を持つようになります。

なお、彼女の志望校は静岡大学で、それを聞きつけた花森も静岡大学を第一志望に変更していました。大学でも彼女に付き纏うつもりだったのでしょう。

WONDIA

立派なストーカーだと思います。

相手の女生徒が自分を好きに違いないと思い込むところ。

嫌悪されているのがわからないところ。

適切な距離をとれないところ。

世にごまんといるストーカー体質の男性の特徴そのままです。

ストーカー体質の人間は、その”想い”を受け取ってもらえないと、往々にして逆上します。

受験前の大事な時期にストーカー行為のようなことをされ、疲れ果てた女子高生は、ついに花森に「監視みたいなことはやめて!」「どうして私の友達を無視するの?」といったメールを送りました。

すると花森は自分のおこないを反省するどころか「無視をするのはあいつらが自分を侮辱したからだ」と、まるで周囲の人間が悪いかのような返事を返したのです。しかし、実際には勉強のために通っている予備校で他人に嫌がらせをするほど暇な生徒はおらず、彼を侮辱した人物など存在しません。

このことを女子高生から聞いた友人は彼女の身を案じて、予備校側に相談。事態を重く受け止めた予備校は成績を理由にクラス替えをして、彼女と花森を引き離しました。

その後、女子高生は静岡大学へ、花森はセンター試験の点数が足りなかったために琉球大学へ進学したことから、2人の接点はなくなりました。

当時の花森の様子を知る同級生は「(花森が静岡大学に受かっていたら)彼女が事件の被害者になっていたかもしれない」「普段は大人しいのに、スイッチが入ると見境がなくなる奴だった」とも話しています。

高校の時点ですでに花森は、相手の気持を考えずに特定の人に執着し、歯止めが効かなくなる性格をしていたようです。

WONDIA

本当に縁が切れて何よりでした。

花森容疑者が静岡大学へストレートで合格していたら、彼女が今回のような事件の被害者になっていたことは想像に難くありません。

今回の事件は、被害者の会社員男性がどうこうというよりは、花森容疑者本人の精神性に原因があると思います。

ゆがんだ被害妄想

花森容疑者は、他に琉球大学の映画サークルの同期の男性を殴っています。

その殴られた男性と、硫酸をかけられた男性の2人のことを、とても怖がっているとの供述をしました。

何をされるかわからない存在で、隙を見せると、殺されるのではないかと。

車で引かれそうになったとか、がけから突き落とされそうになったと供述しています。

完全な被害妄想なのか、何かきっかけになる事実があって、それを誇大解釈しているのかは不明ですが、一定の被害妄想は持っているようです。

さらに、沖縄を離れて静岡に帰ってからも、「家を片づけないと不審者が入ってくるかもしれないよ」という叔父の注意に、この二人が自分を殺しに静岡にやってくるかもしれないと恐怖心を抱くようになります。

彼が言うには、硫酸はあくまで「これ以上自分と関わるな」と警告するためのものだったとし、そんなに危険なものだとは知らなかったということです。

理系で、ネットで検索して自作の硫酸を作ることのできる頭脳のある大学生が、硫酸が危険だと知らなかったといっても無理があるのですが、彼が重大な発達障害を抱えていたとすれば、常識とはかけ離れた考え方をしている可能性は残っています。

花森容疑者に責任能力はあると鑑定した精神科医は、同じような事件を今後再び起こす可能性がある、と述べています。

私もそう思います。

この事件の同期からして、彼の妄想ですから、そこを訂正できないことには、今後、どのような妄想によって、重大事件が引き起こされるのかわかりません。

この手の事件ではいつも思うのですが、精神治療が一番必要ではないでしょうか。

刑務所に一定期間閉じ込めて、懲役をしたとしても、彼の精神が正常になるわけではありません。

アメリカなどではよく見聞きしますが、精神科の適切な治療を強制的に受けさせるべきだと思います。

まとめ

最近はストーカー加害者のケアも大切だという認識が広がり、元ストーカー加害者が今後立ち直るためのワークショップのようなものも出来てきました。

薬物依存症でも同じですが、自分だけで克服することは困難です。

犯罪被害者を支援するのは当たり前として、加害者が今後、同じ犯罪を起こさないための仕組み作りも大切だと考えます。

花森容疑者は、まだ自分が”特別な考え方”をしているという自覚がありません。

少しでも”普通の考え方”へとシフトしていく認知療法のようなものを受け入れてくれるといいのですが。

犯罪がひとつでも減ることを祈ります。

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