人間は眠らないとどうなるのでしょう。とても興味のあるテーマです。
古今東西、ラットから人間に至るまで、様々な断眠実験が行われてきました。眠らないとどうなるのか。みんな知りたくてしょうがないのです。
眠りに関する面白い連載記事があるので、最初に紹介しておきますね。
11日間眠らなかった高校生
11日間眠らなかった高校生がいます。アメリカの17歳の高校生、ランディ=ガードナー氏です。
1964年、ランディは科学賞を受賞するためのテーマとして、人間はどれくらい眠らずにいられるかという実験を試みました。
当時は断眠実験を行った記録がほとんどなく、人がどのくらい起きていられるのか、眠らなかったことによってどのような症状が現れるのか、まだよくわかっていませんでした。
最初は友人に記録を依頼していましたが、3日目より噂を聞きつけた睡眠の専門家が駆け付け、プロの観察の元に実験が行われたことから、非常に信ぴょう性が高いとされています。
ヒトはなぜ人生の3分の1も眠るのか?―脳と体がよみがえる!「睡眠学」のABC
デメント・ウィリアム・C 著
この本は2002年の本で、私は図書館で借りて読みました。購入しようと思って探したのですが、見つけられませんでした。図書館ならあるかもしれませんね。
著者のウィリアム氏はスタンフォード大学の教授で、睡眠学の権威です。この本は睡眠時無呼吸症候群やナルコレプシーについて詳しく書かれてあります。ランディ氏の断眠実験に駆けつけた、睡眠学の権威というのは、このウィリアム教授です。
さて、断眠実験をしたランディ氏はどうなったでしょうか?
- 1日目:断眠実験スタート
- 2日目:目の焦点が定まらない
- 3日目:気分が変わりやすい。吐き気がする。
- 4日目:集中力が欠如。幻覚が見える。
- 5日目:断続的に空想にふける
- 6日目:物を立体的に見る能力が落ちる
- 7日目:明らかにろれつが回らない
- 8日目:発音が不明瞭になる
- 9日目:思考が断片的。文章が最後まで話せない。
- 10日目:記憶や言語に対する能力が低下
- 11日目:記憶や言語に対する能力が低下
- 12日目:断眠実験終了
上記のような記録が残されています。本人がわけがわからなくなり眠ろうとすると、友人が一緒にバスケットボールをしたり、散歩をしたりしてランディ氏が眠らないように協力しました。
12日目には、絶えず刺激を与えていないと、ほんの数秒でも眠ってしまうようになったため、そこで実験は終了しました。
ランディ氏がいうには、若年性アルツハイマーになったようで、とてもクレイジーな状態だったとのこと。道路標識が人間に見えたり、自分が偉大なスポーツ選手だという妄想がでたり、精神的にはかなりの影響があったようです。
ランディ氏の断眠記録は264時間12分。ギネスブックに認定されていますが、この後、危険だということで断眠記録はギネス記録として認められなくなりました。
実験後、ランディ氏は14時間も眠り続け、その後2日くらいして健康な状態に戻ったかに見えたのですが、後日、ラジオ番組でその後イライラした状態が続き、不眠になる後遺症があったことを話しており、無謀な実験をしたことを悔やんでいる様子でした。
ランディ氏の実験の評価はかなり高く、当時の新聞はこの話題でもちきりでした。当初の目標だった科学賞もばっちり受賞したそうですよ。
8日間眠らずに生放送
1959年代、人気のラジオDJ、ピーター・トリップ氏は、児童の生活支援のチャリティのために、8日間眠らずにラジオ番組を行うことにしました。
ピーター氏は、ニューヨークのタイムズスクエアに設置されたガラス張りのスタジオから201時間のぶっ通しの生放送にチャレンジしました。野次馬がびっしりと集まり、ガラス張りのスタジオを覆い尽くしていました。
3日目にはピーター氏の様子がおかしくなり、周囲の人々の悪口を言い始めます。また蜘蛛の幻覚にも悩まされます。スタジオに火が付いたと口走ったり、診察した医者を葬儀屋だと思い込み、スタジオを飛び出したりしました。
やがてピーターは麻薬中毒患者と似たような症状となり、医師は彼を眠らせないため、最後の3日間は薬剤を投与したそうです。
どうにか約束の8日間の生放送をやりとげたピーター氏ですが、放送後、丸1日眠りつづけます。
その後はイライラして攻撃的になり、温和で陽気だった元の性格は戻ってこなかったそうです。全くの別人になってしまいました。精神に変調をきたし、金融問題を起こしたり、離婚と結婚をくりかえします。
ピーター氏の断眠生放送にしても、ランディ氏の断眠実験にしても、長時間の断眠の後、一時的にはぐっすり眠ることでもとに戻ったように見えますが、その後、精神に変調をきたしたり、イライラしたり、不眠になったり、完全に回復するのは無理なのかもしれません。
ラットの断眠実験
1989年、シカゴ大学のアラン・レヒトシャッフェンは、ラットを使った断眠実験を行いました。
水を張った容器の上に円盤を固定し、その上にラットを乗せます。円盤はラットが眠ってしまうと回転し、ラットは水に落ちてしまいます。ラットは眠ることを許されない仕組みです。
実験用の10匹のラットは十分なエサを与えられていましたが、徐々に体毛が黄化し、11日~32日で全て死んでしまいました。
死後、解剖調査が行われましたが、死因は敗血症、全身の感染症とのこと。ただ、臓器に致命的なダメージの跡はないそうです。
その代わり、断眠時の実験用ラットは免疫力低下や体温低下、副腎皮質ホルモン(ストレスホルモン)の大量の分泌などの異常が起こっていました。
睡眠がはく奪されると身体的、精神的なストレスが複雑に絡み合って、臨界点に達した時、死に至ると考えられています。なんとも恐ろしい話ではありませんか。
いかに睡眠が人間にとって大切か、いや、不可欠かということがよく分かります。
マイクロスリープ
上の実験について、意義を唱える学者がいます。睡眠専門家のクリストファー・ウィンター博士です。
博士によると、完全に8日も11日も断眠できたはずはなく、ほんの数秒の眠り、マイクロスリープを挟んだはずだそうです。
睡眠とは、単なる休憩ではありません。脳には睡眠中にする仕事があります。老廃物の除去に始まり、記憶の整理(だから夢を見る)、成長ホルモンを分泌して細胞のダメージを補修するなど。
ですから睡眠が一定時間断たれると、強制的に睡眠の状態に持っていこうとします。一瞬のうたたねです。2~7秒くらいと言われています。
このマイクロスリープまでも意思の力で乗り越えたとは、とても思えないとのこと。
それでもですね、このマイクロスリープによって、幾分かの「睡眠時の仕事」が出来たとしても、実験後の影響の深さを見る限り、やはり十分ではないようです。
眠りたくても眠れない、入眠障害、中途覚醒などに悩む不眠の方も多い昨今、本当に睡眠は大切にしなければならないと切に思います。
もうリゲイン飲んでて徹夜するのはやめましょうね!(時代がわかる)
24時間テレビくらいが限界じゃないですかね。
人間には良質な睡眠が必要
断眠実験の話からわかったこと。
それは、人間には良質な睡眠が必要だということです。
あなたは良い睡眠をとるために、何かこだわっていることがありますか?
好きな香りのアロマを焚いたり、照明を工夫したり、いわゆる入眠儀式といわれる眠る前のルーティーン行動をするのも良いそうです。
もうひとつ大切なこと。
それはパジャマや枕、マットレスなど、寝具にこだわることです。
私も精神が逆立って眠れない夜を過ごすこともあり、寝具には気を付けています。
硬い枕や低い枕だと首を傷めたり、肩が凝ったり、果ては頭痛のもとになるので困ったものです。
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首を傷めず、肩の凝らないちょうどいい枕はないか、探し回って見つけた枕です!
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睡眠の質にこだわりたい方は、是非、試してみてください!
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今回も最後まで読んでくださってありがとうございました。感謝です!(春香拝)
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