3億円かけてフランス人形を目指すヴァニラさん
タレントのヴァニラさん。自身の目標とするフランス人形を目指して、何百回と整形を繰り返しています。総額3億円はくだらないとか。
ヴァニラさんは小さい頃は活発で男の子と遊ぶ方が好きな女の子だったそうです。
高学年でいじめに遭い、自家中毒になり、体調を崩して食事ができなくなりました。
それでも毎日アイプチで目元をばっちり二重にしたり、小学校高学年からはメイクをするおしゃれ女子で、同時に自身の見た目にコンプレックスも強かったとのこと。
16歳で、初のぷち整形。糸を使う簡単な整形、埋没法で目を二重に。
毎朝のアイプチを卒業して、朝起きた瞬間にすでに二重になっていることに感動したそうです。そこから整形に一気にはまったとか。
一番痛かった整形手術は、おでこを高くする手術。髪の毛がついたままの後頭部を切り開き、おでこに人口骨を入れ、ボルトで固定したそうです。聞くだけで痛そうですね。
寿命が10年縮まったんじゃないかと思うくらい痛かったそうで、百戦錬磨のヴァニラさんでも”二度とやりたくない”そうです。
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ここで疑問が浮かんできます。どうしてヴァニラさんは3億円もかけて、壮絶な痛みと苦しみながら、整形手術を続けるのでしょうか。
実際、プロの整形外科医の医者からも
”はい、ヴァニラさんは大丈夫です。卒業証書渡します”
と言われるくらい、完璧に整形し終わっていて、もう手術するところがないそうなんです。
それでも今度は鼻の整形を韓国の先生にしてもらうそうで、何かしら整形できるところはないか、かなりの執念で探し求めている様子です。
なぜでしょうか。
私が一番大事にしているのは、”脳みそ”の部分なんですよね。”精神”の部分というか。やっぱり脳みそが幸せじゃないと、美しくなっても幸せじゃないと思うので。
ヴァニラさんインタビュー記事
つまり、精神的な幸せを求めるために、美を追い求めている、ということですね。
ヴァニラさんの追い求める”フランス人形”への道は、まだ5%から8%とも語っていて、彼女の中では完成度はまだ道半ばどころか、序盤という意識。
整形外科の専門医が”卒業証書”を出すことを思えば、かなりの意識の落差ですね。
ヴァニラさんにとっては、フランス人形を追い求める過程が生きがいなのであって、美しくなることそのものにはあまり意味がないのかもしれません。
でも終わりなき旅だからいいんですよ、これは。
終わっちゃうとそこで終わりなので。
成長がないので。
楽しみがなくなっちゃうと思って。
終わらないテーマだから私はずっと追い求めることができるんだなーって。
これを追い求めてる時が一番美しいと思うんですよね。
ヴァニラさんインタビュー記事
もう、フランス人形というゴールに到達することではなく、到達するために努力している過程がすべてなのだと思います。
だって、終わっちゃったらダメなわけですよね。成長もなく、楽しみもなくなって。
こんなヴァニラさんを”整形依存”ではないかという声があります。
その声に対して、ヴァニラさんはこう言っています。
整形をしてマイナスになることは絶対にやらないから、そういう意味では依存症ではないかな。
本当の依存症の人って、「これ以上やっても良くならない。現状維持どころか今より悪くなりますよ」っていわれてもやっちゃう人なんですよね。
ヴァニラさんインタビュー記事
なるほど。これがヴァニラさんの”依存症”の定義なんですね。
彼女の整形はさらに美を追求できる可能性の残されているものだから、依存症ではない。
依存症は、もう美を追求できる可能性の残されていない状況にも関わらず、辞めることができない状態、ということですね。
ほんの1%でも、まだ追求できる美があるのであれば、完璧を求めてそこへ向かって努力していく、ということでしょうか。
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ところで、依存症って普通はどんな定義をするものなんでしょうか。
依存症は、日々の生活や健康、大切な人間関係や仕事などに悪影響を及ぼしているにも関わらず、特定の物質や行動をやめたくてもやめられない(コントロールできない)状態となってしまいます。依存症にはアルコールやニコチン、薬物などに関連する物質依存症とギャンブル等の行動や習慣に関連する行動嗜癖があります。
厚生労働省みんなのメンタルヘルス
たしかに、ヴァニラさんの場合、大切な人間関係や仕事に悪影響を及ぼしているわけではないので、この定義にはあてはまりません。
ただ、整形が生きる上での最重要項目になっていることは間違いないでしょう。
終わってしまったら終わり、であり、言い換えれば”終わってはいけない”こと”終わったら困る”こと。フランス人形化するという最終目標をクリアした後のビジョンが全くないからです。
おそらく、最難関の終わりなきミッションに挑戦し続けることが、ヴァニラさんの生きる意味なのでしょう。
いじめに遭った時の屈辱感をもう二度と味わいたくないでしょうし、そのためには自分に対する自信が必要だったでしょう。
そして、コンプレックスだった目元のぷち整形に成功した時の、感動、自分をコントロールできるという自信は強烈な体験だったと思います。
この自分を正しくコントロールできた強烈な快感を味わい続けたいんじゃないかな、なんて思いました。
彼女は依存症ではないだろうけど、依存症の人がなぜそうなるかというと、脳内麻薬が出て、その快感に溺れるからなんですね。
自分を完璧に変えていく。外見をコントロールしていく全能感は、おそらくかなりの快感なのだと思いました。それこそ、壮絶な痛みを超えられるほど。
ヴァニラさんの記事を読んで、そんな感想を持ちました。
あくまで私個人の1意見に過ぎないことを申し加えておきます。
60歳を過ぎても整形の手を緩めない中村うさぎさん
作家の中村うさぎさんも整形で有名ですよね。
買い物依存から始まって、ホスト狂い、整形へと、話題には事欠かない女性です。
当初は整形などに興味を持っていなかったそうですが、ホストにハマっていた時、掲示板にひどいことを書かれたそうです。
”中村うさぎとかいうおばさんを抱かなきゃいけないなんて可哀そう”とか。
いや、誰でもショック受けますって!そんな暴言書かれたら。
そこで御年40歳を超えていた中村うさぎさん。ホスト通いをリタイヤするどころか、整形して美人になろうなんて、男気があります。ホントに。
ただ、彼女の場合は、完全に依存症があります。買い物依存に始まって、ホスト狂い、そして整形へとたどり着いた感じ。
中村うさぎさんの他の著書を読んでいても思うのですが、彼女は自分に自信がない。キレッキレの口調とは正反対に、ご自身に劣等感をお持ちです。
何か、からっぽなものが心の中にあって、それを埋めるものが、買い物だったり、ホストだったり、整形だったり、形を変えているだけだと感じました。
ただ、コンプレックスと戦って克服しよう、なんとか変えてやろうとする攻めの姿勢は素敵です。このあたりが女性に絶大な人気を誇る秘密かもしれません。
ホスト掲示板に暴言書かれた時だって、”私なんてどうせおばさんだから”って引退しがちですよね。普通は。
そこを整形とくるか!という爽快感はあるんです。読者としては。
ヴァニラさんが着々と美を求める過程を楽しんでいるのに対して、中村うさぎさんの場合は、戦っている感がすごくある。
ヴァニラさんは整形コレクターみたいで、中村うさぎさんは整形ファイターというイメージです。私の中では。
『さすらいの女王』に書かれていたことですが、整形して美人になったからと言って、調子に乗ってはいけないと、ご自身に言い聞かせていたそうです。
「美人ですね」と言われようものなら、すぐさま「そうですか?整形ですけどね」と返すと。
美人になってちやほやされることが目的で整形を始めたわけじゃないんですね。
この本を読んでいると、どこか、罪悪感のようなものを感じているみたい。
チート技を使って、”本来美人の部類にない女”が、”美人の部類”へワープしたような。そんな感じなのかな。
中村うさぎさんは2013年に原因不明の病に倒れ、のちにスティッフパーソン症候群という難病だとわかりました。
自己免疫疾患で、徐々に体中の筋肉が冒され、動かなくなる病気です。
2020年のくらたま(倉田真由美さん)さんとの対談で、病気がいろんなことを諦めさせてくれたと語っています。
この対談を読む限り、中村うさぎさんの戦いは終わったようですね。
普通は、年を取ってムリができなくなって、いろんなことをあきらめるんだと思うんだけど、あたしは病気で体が不自由になってあきらめた。
「不自由とは、いろんなことをあきらめること」だとわかったね。でも、障がいがなかったら、いつまでもあきらめてなかったと思う。
人生は、私にあきらめるための「病気」という名の引導を渡してくれた。なんだかあきらめたら、すごく楽になったよ。
昔は楽しかったけど、苦しかった。いまは楽しくも、苦しくもなくただ楽だね。
私は母が認知症だけど、昔は人から笑われるのをすごく気にしてた。父が介護してるんだけど、今は人からどう見られるか考えなくて気ままにふるまうから、周囲は迷惑だけど、幸せだと思う。
呆けた者勝ちだよ。老化は楽になることだと思う。そして「最終的な楽」は、死ぬことだよね。
悟りの境地ですね。中村うさぎさんは、色んな依存症とともに人生を戦ってこられた。
対談を読むと、依存症のほかに0か1しか認められない、極端な考え方もお持ちのようです。ずいぶん苦しかったんじゃないでしょうか。いいところで妥協できないので。
病気に引導を渡されて、現在は楽になられたとのこと。
この病気もさんざん整形手術を受けた影響があるんじゃないかなんてうわさされましたが、整形手術の主治医の先生がその可能性は低いとおっしゃったとのことですから、関係ないんじゃないでしょうか。
ヴァニラさんの言葉じゃありませんが、体はきつくとも、”脳みそ”は幸せになったのかもしれませんね。
まとめ
整形手術の賛否は論じません。というか、そんなもの論じても仕方ない。
他人に迷惑をかけない限り、それは自由だと思うから。
ただ、私はやらない。痛いの嫌いだし、痛い目をしてまで美しくなりたいという執念がない。
整形手術って魔法じゃないですからね。かなり痛いし、痛みが引くまで腫れることもあるんですよ。落ち着くまでの時間をダウンタイムっていうんですけどね。
ただ、今回お二人の記事を読んでいて、整形手術って顔だけの問題じゃないなって思いました。
ヴァニラさんは脳みその幸せのために難易度の高いミッションに挑むことに意義を見出しているし、中村うさぎさんは、何か心の隙間を埋めるべく戦っている感じでした。
男性の整形も増えましたが、軽い気持ちで手を出すものではなさそうです。
なんの不自由もない体にメスを入れるのですから、もちろん、そこらへんの覚悟はあるのでしょうけども。
たしかに、美人は得をします。人間、外見で判断しちゃいけないって言われるけど、知らない人は外見で判断せざるを得ないところもある。
でも、外見だけで判断をする人は、それだけうすっぺらい人生しか送れないのだから、気にすることもない。
どのような人生を送ろうが、その人の勝手だから、放っておけばいいのですよ。
彼らは大切なものを見失いますから。
むしろ、外見がイマイチなおかげで、そのようなやからから相手にされないことは幸運だと思わなくちゃ(笑)
私はそうやって、毎日自分を慰めております。
今回も最後まで読んでくださってありがとうございました。感謝です!(春香拝)
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