天台宗の尼僧・叡敦(えいちょう)さん、性加害告発ニュース感想

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寺院 B級ニュース

天台宗の尼僧・叡敦(えいちょう)さん、記者会見で性加害を告発

1月31日、天台宗の尼僧、叡敦(えいちょう)さんが、14年間にわたり、僧侶に日常的に、性暴力を繰り返されていたと記者会見で告発しました。

性行為を強要したのは、60代の住職。

叡敦さんは、住職の師匠にあたる、大僧正から言われて、住職の寺を訪れたのだそうです。

叡敦さんは、26歳で結婚し、その後、すぐに両親が病気を患いました。

9年間の介護もむなしく、両親は他界します。

母の生前の希望だった、滋賀県に住む、いとこの大僧正に供養を依頼したところから、話は始まるのです。

この大僧正は、一番弟子であるという、香川県の僧侶を訪ねるように言ったのだとか。

大僧正は、日本に6人しかいない、北嶺大行満大阿闍梨(ほくれいだいぎょうまんだいあじゃり)という、高僧だったので、当時の叡敦さんは、「生き仏」として、あがめていたと言います。

そんな偉い人に、一番弟子を紹介されたら、普通、一度くらい、挨拶しようかと思っても、不思議ではありませんよね。

<北嶺大行満大阿闍梨>

天台宗の回峰行のひとつ、千日回峰行をやり遂げたものに与えられる称号です。
この修行は大変厳しいもので、途中で行を行えなくなったら自害する覚悟で行います。
(修行前に生前葬を済ませ、自害のための短剣、葬式代10万円を所持します)

修行成満後は、生身の不動明王とされる、生き仏となります。

ところが、この一番弟子の僧侶は、とんでもないストーカー男でした。

一度会うだけで済ませるつもりだった叡敦さんだが、寺を訪ねた後、A氏が買い物先や母の遺骨を納めた墓地に出没し、つきまとわれるようになった。入手した陳述書を引用する。

〈[編注・2009年]10月10日午後9時半過ぎにA[原典では実名、以下同]から電話がかかってきた時には、私は「近づくな!あなたが怖い!もう私の自宅の近くをうろつかないでください!わたしは、以前被害に遭ったことがあるので男性恐怖症なのです。もう勘弁してください」と強く伝えて電話を切りました。しかし、AやBからの電話は止むことがありませんでした〉(陳述書7ページ)

ニュース・ポストセブン引用

上の記事でAというのが、性加害を行った僧侶で、Bというのが、Aに会いに行けと言った大阿闍梨です。

この偉い大阿闍梨のセリフに、加害者の僧侶が独り身で寂しくしているという言葉があるところから見て、僧侶は、女性に飢えていたと思われます。

大阿闍梨の指示通り、一度だけ会いに来た叡敦さんを気に入って、しつこく追い回すようになったようです。

しかも、大阿闍梨の方も、それを注意していません。

むしろ、自分の一番弟子である、加害者の僧侶に、叡敦さんを、あてがったのではないかと思います。

結婚している叡敦さんに、夫と離婚して、加害者僧侶と結婚するように迫ったそうですから。

(しかも、離婚のための弁護士を紹介するとまで、語ったそうです。)

大阿闍梨は、母親の供養を依頼した叡敦さんに、滋賀県にある遠い自分の寺よりも、四国に住む彼女の自宅に近い、香川県の僧侶の寺を紹介したとのことです。

一見、筋が通っているように見えますが、この大阿闍梨の言葉に、僧侶が独り身で寂しいから、誰かいい人がいないか、なんて、お母さんの供養とは全く関係ない言葉がありますし、アヤシイですよね。

加害者僧侶による性加害がはじまる

困った顔の女性

大阿闍梨から、再三にわたり、僧侶に会いに行くように迫られた叡敦さん。

断り続けていましたが、僧侶は、ある行動に出ます。

「掃除をしている途中で、倒れた」と電話をしてきたのです。

叡敦さんは、悩んだ挙句、やはり、放置してはおけないと思い、僧侶に会いに行ってしまいました。

〈Aは私の右手を強く引っ張りベッドに押し倒してきました。(略)私は、怖さのあまり固まってしまい、全く動けませんでした。Aは、性行為の最中、「おん。あろりきゃ。そわか。早く言え!唱えろ!ご真言を唱えろ!」「お前は賢い人間だから唱えられるだろう」と顔を私に擦り付けながら命じました〉(陳述書8ページ)

ニュース・ポストセブン引用

もう、待ってました!飛んで火にいる夏の虫!って感じですかね。

これがレイプでなくて、何ですか?

ちなみに「おん。あろりきゃ。そわか。」は観音菩薩の真言です。

なぜ、性行為を強要する相手に、観音様の真言を唱えるように言ったのか、不明です。

この性行為が修行とだとでも言い訳するつもりでしょうか?

この後、加害僧侶は、叡敦さんを車で連れまわすようになり、寺の中だけではなく、ラブホテルなどでも、性行為を強要します。

しかも、彼女の髪をバリカンで丸坊主にしたり、暴力を加えるようなそぶりを見せたり、侮辱するなどして、徐々に彼女を心理的に支配していきます。

「(A氏は)自分だけのものにしようとした(のだと思う)。私が外に出られないように。実際に私は、その後何年も鏡を見られなくなりましたし、もう外に出られないと思った。出る気持ちすら、なくなりました」

ニュース・ポストセブン引用

寺の中に彼女を閉じ込めて、信者には、知人の尼僧だと嘘をつきます。

「Aは私のことを“阿闍梨さんの身内で尼さんとして手伝うために来てもらっているんだ”と説明していました。そう言っていれば、男女の関係というふうには思われないで済むから」(叡敦さん)

ニュース・ポストセブン引用

小心者のDV男、そのものですね。

性加害で告発するも、証拠不十分に

たくらむ男

2019年、叡敦さんは、知人の助けを借りて、加害者僧侶の寺を脱出します。

強姦罪で被害届を出すのですが、まさかの不起訴処分でした。

嫌疑不十分ということですが、深刻なDV男からの性加害から、もっと積極的に、被害女性を守れないものなのでしょうか?

話を聞いているだけでもがっかりするのですから、これで叡敦さんが、絶望するのは理解できますよね。

この後、大阿闍梨と加害者僧侶の説得に負け、絶望した叡敦さんは、恐怖の寺に帰ってしまいます。

その時に、今後は一切、性行為を強要しない、という旨の念書を、加害者僧侶に書かせています。

〈私は平成21年10月21日 Y寺境内の庫裏にて、貴殿の意思に反し強制的な性暴力行為を行ってまいりました。

 また、平成22年3月29日~平成29年10月8日まで長期間、資格のない貴殿を「偽尼僧」として手伝わせるなか、長時間に及ぶ恫喝、暴力を繰り返す行為をした結果、複雑性PTSD障害と鬱病を発症させてしまったことを、大変申し訳なく感じています〉(令和元年12月27日付「念書」)

ニュース・ポストセブン引用

ところがですね、この念書を書いたことは加害者僧侶も認めているのですが、内容については「そういう内容の念書じゃない」なんて言っているんです。

結局、この後も、寺に帰ってきた叡敦さんへの性加害は、延々と続くことになります。

敬虔な天台宗の信仰から来る、一種の洗脳

はてな、と思う女性

叡敦さんは、性被害を受けていた14年の間、何度も逃げようとはしたそうです。

しかし、警察へ相談するのは、最後まで悩んだとか。

A氏から逃れようとする試みは、14年間の間に何度もなされていた。ただ、叡敦さんは取材に対し、警察に相談することはためらわれた、と語っている。「大ごとにしたくなかった。(天台宗の高僧であった祖父を継いだ)叔父さんのお寺や阿闍梨(B氏)のことを信じていた」(叡敦さん)というのだ。

ニュース・ポストセブン引用

叡敦さんは、祖父が天台宗の高僧という家庭で育ちました。

この事件に出てくる大阿闍梨はお母さんのいとこで、生き仏として信仰を集めている人物です。

長年の考え方を変えることは難しいと言わざるを得ません。

彼女は敬虔な天台宗への信仰を持っており、言い方を変えれば、一種の洗脳状態だからです。

いくら自分が被害を受けているからと言って、大げさに公表して、天台宗の威厳を傷つけることになったらと、被害告発に関しても、ためらわれたことと思います。

例えば、天台宗の信仰を一切持たない、一般人であったとしたら、いくら、加害者僧侶が「地獄に堕ちるぞ!」と喚いたところで、怒鳴り声が怖いくらいで、本当に地獄に堕ちるかもしれないと悩むことはありません。

地獄に堕ちるなら、レイプ犯の僧侶の方ですよね!

でも、叡敦さんには、信仰を持つ者にしかわからない怖さがあったはずです。

ましてや、子供のころから教え込まれてきた天台宗の威厳を傷つけるなんて・・・。

相当、悩んだと思いますよ。

頼みの大阿闍梨に相談するも

護摩をたく僧

天台宗の威厳を傷つけたくない叡敦さんは、何とか尊敬する大阿闍梨に話をつけてもらおうと考えます。

宗門を傷つけてしまうことを恐れた叡敦さんは、唯一、解決する力を備えたB氏に頼る。だが、期待は裏切られたという。最初の性加害から2か月後の2009年12月19日、滋賀県内のホテルの一室で叡敦さんとB氏が向き合った時の会話について、陳述書はこう記している。

〈B[編注・原典では実名、以下同]は部屋に入るなり、「Aの話だったら一切聞かないよ」と言い、私の訴えることを聞こうとはしてくれませんでした。むしろ、「とにかく、このことが公になったら困るから、お前は離婚しろ!」「(離婚のために)弁護士が必要であるのなら、何人でもつけてやる」「Aが欲しいものはいる、いらんものはいらない!」などといって取り合わず、すぐに部屋を出て行ってしまいました。(略)私は、信頼し尊敬していたBのそのような言動に触れ、ただただ、絶望しました〉(陳述書12ページ)

ニュース・ポストセブン引用

何度もこの大阿闍梨に助けを求める手紙を書いたと言います。

直接、本人に手渡ししたこともあるそうですが、読んでもらえなかったようです。

〈深夜から大津市内のホテル(甲13)に宿泊して徹夜をして手紙を書き、同日朝、ひとりで[編注・B氏が住職を務める]X寺院へ行き、Bに手紙を手渡しました(甲14)。Bはその場では手紙を読んではくれず、A4の茶色い封筒に黒マジックで「重要」と書き、あとでゆっくり読んでおくからといって、手紙を封筒に入れてしまいました〉(陳述書24ページ)

ニュース・ポストセブン引用
〈同年[編注・2018年]11月28日、私は再度X寺院のBの元に向かいました。Aを告訴する前に、なぜ8年もの長い間私を助けてくれなかったのか、阿闍梨(B)に直接聞きたいと思ったからです。しかしBは、「忘れた」「たいしたことではない」等と述べ、私を怒鳴りつけました。私は、Bに聞いてもらうために、AがBの悪口(「阿闍梨が私をAに差し出したのだ」というような内容)を言っている様子を録音したカセットテープを持参していましたが、Bはもちろん聞いてはくれませんでした〉(陳述書29ページ)

ニュース・ポストセブン引用

ここまで来たら、完全に、この大阿闍梨はクロだと思いますね。

100歩、いや、1000歩譲って、大阿闍梨が全く被害を知らなかった、または信じなかったとしましょう。

それでも、仏に使える高僧ならば、傷ついた女性の話を、もっと親身になって聞くべきです。

また、彼は、叡敦さんに、口止め料としか思えないお金を包んだそうです。

必死の訴えにも聞く耳を持ってもらえなかったという主張だが、それでも諦めきれず、叡敦さんがこのテープを郵送するとB氏から「会おう」という電話があったという。

〈12月22日、大阪梅田のワシントンホテルの喫茶店でBと会いました。持参した手紙をその場で朗読し、手渡しました。その後、Bは、食事に向かうタクシーのなかで、私に「御見舞/身内」と書かれた熨斗袋を渡してきました。要らないと私が言っても、押し付けてきました。口止め料という趣旨だと思いました。後で中を確認すると100万円が入っていました〉(同)

ニュース・ポストセブン引用

天台宗の出方は?

眼鏡をかけた女性

叡敦さんのこの度の訴えは、損害賠償ではありません。

大阿闍梨と加害者僧侶の、天台宗僧籍をはく奪することを求めています。

性加害の苦しみは、いくらお金を積まれても消えるものではないし、汚い口封じのお金をもらった経緯から、そう判断したようです。

ただ、当の天台宗側の返答は芳しくありません。

天台宗務庁に対し、筆者はB氏の行いと主張されている内容についても見解を問う質問を送ったが、「現在、天台宗の宗規に照らし合わせながら、対応を検討しております」というのみ。懲戒審理申告を正式に受理するかも含めて対応を検討中だという。

ニュース・ポストセブン引用

おそらく、日本に6人しかないという、大阿闍梨であることが、その歯切れの悪い態度の原因でしょう。

加害者側が、下っ端の僧侶だったら、鼻息荒くして「けしからん!」って懲罰を決定すると思いますよ。

天台宗務庁が、大阿闍梨に逆らえるかな・・・

それでも、もし、天台宗側が、叡敦さんの訴えを握りつぶして、当のふたりにお咎めなし!という判断を下したとしたら、それこそ、天台宗の威厳は地に落ちることでしょう。

この度、叡敦さんは、同じような立場で虐げられている女性の希望になったことと思います。

自衛隊の性加害問題やジャニーズの件など、声を上げる性被害者が出てきています。

まだまだ加害者側を擁護する声が多く、被害者に暴言を浴びせる輩もいるようですから、十分には変わっていませんが。

それでも、戦う被害者が出てきたことは、喜ばしいことです。

命を懸けて修行をし、仏に使える高僧ならば、嘘のない供述をしてほしいものですね。

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