治験モニターって稼げる?危険性は?安全なの?体験談も紹介

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看護師 B級ニュース

 治験って聞いたことありますか? 新薬や新しい治療法などをヒトの体で試す実験のモニターです。健康な人がアルバイト感覚で、また患者さんが新しい可能性を求めて治験を受けることもあります。

 報酬が高いアルバイトとして知られています。今日は、そんな治験について考えてみたいと思います。

治験とは

 まず、治験というのは別に怪しいものではなく、厚生労働省によって定められた手順でおこなわれることをご紹介します。

 厚生労働省のサイトですが、治験についてまとめてあります。治験は病院で行われるもので、有償ボランティアの一種です。新薬開発の最終段階(言ってしまえば人体実験かな)の被験者となります。

 被験者として応募したら、まず詳しい説明を聞きます。どんな目的でどんなことをするのか。自分がその治験の条件に合致しているか。そして考えられる副作用。想定していなかった突発的な副作用がおきることもありますが、動物実験を繰り返した研究ですので、一定の安全性は確保されています。新薬がどの程度効果があるか、どれくらいの副作用が起きるか、あなたの体を使って実験をするのです。

 説明を聞いて、参加する意思があれば被験者となります。この説明に不安を感じたら、もちろん遠慮なく辞退してOK。強制されるものではありません。応募したら絶対に参加しなければならないということはないので、気軽に応募していいのです。

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 晴れて被験者となったら、生活上の条件が出されます。これは正しく治験が行われるためです。喫煙不可とか薬飲んだらダメとか。これは治験の結果が出るまで続きます。報酬と引き換えに一定の不自由は我慢しなければなりません。

 治験は通院を何回かするもの、入院を伴うものなど様々です。入院の場合は採血が毎日あります。薬の血中濃度や、体への影響を調べます。採血が嫌な人は治験には向きません。血管の細い人も苦労するかもしれませんね。

 食事の内容を限定されることもあります。投薬が一切ダメなことが多いので、目薬とかハンドクリームがダメとかあります。副作用さえなければ入院中は暇だそうです。本を読んだり、テレビを見たりして時間を過ごします。

治験モニターは稼げる?

 治験でもらった報酬は、厳密にいえば「報酬」ではありません。治験という労働をした対価をもらったのではなく、ボランティアをしたことに対するお礼の意味合いが強く「負担軽減費」「協力費」と呼ばれます。源泉徴収はありませんが「雑収入」となりますので、例えば給与所得の人が20万円をこえる「雑収入」があった場合など、確定申告が必要となることもあります。

 通院治験の場合の「協力費」の相場は1回7000円ほど。入院の場合は1泊2万円ほどだと言われています。1か月の入院だと30万~60万円の協力費がもらえる計算になります。かなり高額ですね。

 高額の協力費の他にもお得なことがあります。それは、精密な健康診断を無料で受けられることです。治験を行うにあたって、あなたが条件にあるかどうか詳細に体を調べてくれます。もちろんこれは治験を行うのに必要だからなのですが、被験者から言えば「無料の精密な健康診断」に他なりません。見つかりにくい病気が初期発見できたら、治験はできませんが、大変ラッキーなことと言えますね。

治験って危険なの?

 入院なら3食昼寝付きで、テレビを見てのんびり過ごして高額な謝礼のもらえる治験。楽して稼げそうなイメージですが、もちろん新薬の実験ですから生活上の制約もあれば、毎日採血もあります。動物実験を繰り返し、一定の安全性を確認しているとは言え、本当に安全なのでしょうか。危険はないのでしょうか。

 実は、危険はあります。先ほどお話しした副作用もそうですが、死亡事故も起きているのです。

 2016年にフランスで新薬の治験中、1人が死亡、5人が脳に治療できない障害が残りました。治験薬に大麻に似た物質が含まれていたとか、薬剤が多すぎたなど様々原因が推測されていますが、詳細な調査は行われず、賠償金でいちおうの解決となったようです。低用量の薬剤が投与されたグループは異常がなかったとのことなので、単に量が多すぎた可能性もあります。

 動物実験で安全性を確認したはずの薬剤の治験で、しかも被験者は健康な若い男性ばかりだったので、この事故は世界中で衝撃をもって受け止められました。

 日本でも死亡事故が起きています。2019年てんかんの治療薬の治験で、被験者の20代の男性が治験薬の投与後、電柱から飛び降りて脳挫傷で死亡しました。男性は入院中から幻聴や幻覚を訴えていましたが、飛び降り自殺と治験薬との因果関係が否定できないとされています。

 精神科医がいない環境下での治験で、しかもリスクが文書できちんと説明されていなかったなど、もっと慎重に被験者に配慮する必要があった事例だとされています。

治験の安全性は?

 死亡事故という怖い話をしましたが、確率はとても低いものです。まれにしか起こりません。フランスの例でも日本の例でも改善すべき点は指摘されていますので、さらに安全な治験へと厳しい審査がされるようになるでしょう。

 確立という話をしましたが、日本で交通事故で無くなる人は3人に1人と言われています。2分に1回はどこかで交通事故が起きています。がんにり患する人は2人に1人です。そう考えると治験の事故はそう簡単に起こるものではないといえます。ただ、とても衝撃的なので、強く印象に残り、怖い気持ちがするのです。

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 副作用についても、どの薬にも言えることです。風邪をひいたら薬を飲むかもしれませんね。その薬にも副作用があります。めまいがしたり眠気がしたり、軽いものを入れるとかなりの確率で副作用は起きますが、アナフィラキシーショックのような重篤な副作用はめったに起きません。

 重篤な副作用が怖いから、痛かったり苦しかったりするけど、薬は全く飲みません!という人はあまりいませんね? それと同じです。

 たしかに危険性ゼロとは言えないけれど、メリットのほうが大きいということです。もちろん危険性を考慮して、一切薬は飲まない、ワクチンも打たない、という判断をしてもかまいません。それはあなたの自由です。誰にも何が絶対的な正解かを決めることはできません。あなたが判断するしかないのです。

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 製薬会社も長い時間をかけて、何度も動物実験を繰り返して、ようやく治験にたどり着きます。星の数ほど治験が行われていますが、重篤な事故は滅多に起こりません。それほど怖がらなくてもいいと思います。なにより、あなたの治験によって難病の人が救われる薬が開発されます。大変貴重なボランティアです!

 副作用が万が一起きた場合は製薬会社と治験審査委員会に連絡が行きます。被験者はそこで治験をやめることもできます。治験審査委員会は治験の継続を許可するか審議し、製薬会社は国への報告と治験の見直しもしなければなりません。

 治験の副作用で、因果関係が否定できない場合は、体調が崩れた場合の治療費は製薬会社や治験を許可した国が負担します。入院中であればすぐに治療が開始されます。後遺症が残った場合は当然補償を受けられます。

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 実は副作用は悪いことばかりではありません。治験の副作用がもとになってできた薬もあるんですよ。男性の勃起不全を治療するバイアグラは狭心症の治療薬として治験を試みたのですが、その治験には効果が見られませんでした。それなのに治験薬を返そうとしない被験者が多かったことで、実は勃起不全の治療に効果があるとわかった経緯があるのです。面白いですね。

体験談をご紹介

 実際に治験を体験した人の話をご紹介しますね。

 個人的には真ん中の体験談が一押しです。作家さんが学生時代に参加した治験を語っていて、面白い。クセのある人たちの集まりっぷりは笑えますが、どこの病院もこんな感じかといえば違うと思います。普通はもっとドライなんじゃないかな。

 最後のブログは体験談が豊富です。ひとつの体験談は短くて軽く読めるので、雰囲気を知りたい人は一読ください。病院で入院して毎日採血を受けるといったヘビーなものばかりではなく、ニキビの塗り薬の治験など、手軽に応募できそうなものも体験談として載っています。参考になりますでしょうか。

まとめ

 治験はモニターはそこらへんのバイトにくらべたらずっと稼げます。危険性はないとは言えません。副作用もありますし、死亡事故も実際に起こっていますから。しかし一定の安全性は確保されていますし、万が一の副作用には補償が受けられます。大半の被験者は、なにごともなく謝礼をもらって、貴重なボランティアといい人生経験を積んでいます。

 体験談もご紹介したので、イメージがわいたでしょうか。

 治験を高額バイトととらえるのもよし。社会貢献と思うのもよし。新薬開発にボランティアは不可欠ですから、興味のある方はどうぞ応募してみてくださいね。ひとつの人生経験。話のネタにはなりますよ!

 

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