木下優樹菜のADHD告白が問題アリなわけ

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アイドル B級ニュース

「赤」と「バカ」の聞き間違いで炎上

 元アイドルの木下優樹菜さんが、脳波を調べてADHDだとわかったという内容のユーチューブを公開しました。

木下優樹菜さん 脳波検査でADHDだとわかった

 6分程度の短い動画なので、よかったら一度視聴してみて下さい。

 内容を要約しますと、

ブレインクリニックというお医者さんで脳波の検査をしたところ、34歳の普通の女性とは脳波の特徴が違うということが分かった。

優樹菜さんは前頭葉があまり活発でなく、脳内が混線状態にあるらしい。

このことから、ADHD(注意欠陥多動性障害)らしいとわかり、今までの生きづらさの原因がわかった。

これをきっかけにADHDの世間での理解を深めたいし、いずれは特番もやりたい

木下優樹菜 ユーチューブ要約

 この動画、結構炎上気味なんですが、一度さらっと視聴した感じではそんなに問題な内容ではないと感じました。どうして炎上しているかというと、

  • 脳波のカラー写真を見て優樹菜さんが「赤でしょ」と発言したのを「バカでしょ」と聞き間違えたユーザーが”バカとは何事か!”と誤解したもの
  • 自身の失敗の原因をADHDだとしたことで、ADHD=バカ、と強引に結びつけられたと感じたもの(特にADHD本人や家族などの当事者)
    ※おそらく「赤」と「バカ」の聞き間違いも影響している

 この2点が大きいと思うのですが、「赤」と「バカ」にしては完全に効き間違いであって誤解です。視聴者のコメントにも

もはや何をしても炎上するのは才能

ユーチューブのユーザーコメント

とあるくらい、彼女の努力が裏目に出ている感はあります。

 優樹菜さんの動画を見て、「自分の生きづらさもADHDなのかもしれない!」と思い、検査に踏み切れたという感謝の声もあるので、一定のユーザーには受け入れられていると思います。

ADHDの理解が浅い

 ひとつ視聴していて気になったのは、ADHDを理解してほしいと訴える内容の動画にも関わらず、冒頭の場面で優樹菜さんがADHDを説明できず、ナレーターが代わりに説明したところです。

 優樹菜さんの反応は「ADHDってナニ?」という感じでした。これでは視聴者に「理解してほしい」と訴えたところで反応は薄いでしょう。

 おバカキャラで売っている演出かもしれませんが、真面目でセンシティブな話題ですから、きちんと優樹菜さん自身の口から、自分も初めて知ったけど、ADHDというのはこういうものです、と説明が欲しかったですね。

 この冒頭の部分で「よく理解もせずにADHDを軽々しく語るな!」と当事者に思われたことは想像できます。動画がずいぶんとチープなものになってしまいました。

 このせいか、ADHDを語りたいのではなく、優樹菜さんが脳波検査を受けたブレインクリニックのステマではないかと疑う声もあります。

 ステマと考えるほど、そんなにブレインクリニックを押している感じはなかったですけどね。それだけ優樹菜さんの存在感が大きいという裏返しかもしれません。

すべての失敗の責任をADHDに押し付けている感がぬぐえない

 他に違和感を上げるとすれば、タピオカ事件からフジモンこと藤原敏史さんとの離婚へと次々に炎上した問題を、すべて「私がADHDだったから」と片づけているところです。

 たしかにADHDを理由として生きづらさを感じている人はたくさんおり、ADHDの特性として注意深さや思慮深さが足りない面はあったかもしれません。

 それにしても、全ては病気のせいだよ、私悪くないもん、的な流れには違和感を覚えました。ADHDに起因したとはいえ、それを反省している、これから改善していく努力をする、という姿勢が欲しかった。

 それなしで、特にADHDの当事者の反感はぬぐえないと思います。その特性を乗り越えて努力している当事者からしたらその努力がむなしく聞こえてしまうし、ADHDの人はみんな問題を起こすのかと誤解を生んでしまいますから。

脳波でADHDは判定できない

 また、精神科の専門家の意見として、脳波を見たところでADHDとの確定判断はできないとあります。

 ブレインクリニックのサイトを見た限りでは、発達障害やADHDなどの診断、治療に脳波鑑定を使用するように見えます。

 たしかに細かく読むとQEEG検査(定量性脳波検査)「鑑定補助となる検査」と説明してありますが、さっと見た限り、脳波で確定診断ができて、このクリニックで治療までできる・・・ように見えますね。

 しかし、上の記事の専門家の意見として「QEEG検査はADHDの確定検査には使えない」と断言しています。

 2020年に日本精神神経学会でも注意喚起がされています。

〈発達障害圏の疾患(自閉症、ADHD、アスペルガー障害など)やそれに関連する症状、あるいは不安解消や集中力や記憶力の増進などに対する効果は、海外においても確認されていません。〉

日本精神神経学会

 脳のどの部分が活性化しているからADHDだと断言する根拠は現時点ではないそうです。もちろんこれから研究が進んでくる分野ではあるけど、通常の診断の補助としても使うことはほとんどないと。

 にもかかわらず、ブレインクリニックのサイトでは”効果がある”と明言しています。

〈TMSは発達障害に対して治療効果があり、薬物療法と異なり根本的な改善にもつながる治療法ですが、治療を受けた全体の10%程度は残念ながら効果が見られないことがあります。〉

ブレインクリニック

 大切なのは確定診断よりも、どの部分で生きづらさを感じ、困っているかをよく聞き、その改善です。

 ブレインクリニックは他の精神科ではしてもらえない検査をしてくれる特殊なクリニックではありますが、それがどのように生活の質をあげることにつながっているかが重要ですね。

ブレインクリニックの評判

 ブレインクリニックは”新宿、東京、大阪、名古屋に展開する日本最大の精神科クリニックです”とあります。

 口コミを見ますと、QEEG検査でADHDの”グレーゾーン”だと判断されると(あくまでADHDだと確定判断していない。精神科であるにもかかわらず)、TMS治療の契約を勧められます。

 TMS治療は主にウツに効く治療とされていて、前頭葉に磁気刺激を与えて改善を目指すものです。ウツ症状には保険適用されていますが、ADHDにおいては治療として確立していません。もちろん自由診療になります。

 ブレインクリニックは、初診料3300円、QEEG検査で14300円。その後TMS治療を契約すると20万~80万円のコースとなるようです。

 評判は”契約しないとわかったら手のひらを返された。最悪”といった悪評もあれば、”TMS治療を4~5回して症状が改善しているのを実感している”という効果を感じた評価まで様々です。

 ここでは現在の標準治療ではなく、新しい治療方法であること。まだ研究結果がまとまっていないこと。自由診療であり、非常に高価であること。そして効くかどうかは個人差がありそうだと述べるにとどめます。

 TMS治療はウツへの効果は認められているので、ADHDの方のウツ症状を改善する効果は当然あると思います。それを超えての効果があったかどうかは、まだ研究の余地を残すところです。

まとめ

 なんの知識もない状態で優樹菜さんのユーチューブ動画を見ても、ブレインクリニックをごり押ししているわけではないので、ステマっぽい印象は受けません。

 しかし、ブレインクリニックは標準治療の精神科ではなく、学会基準から逸脱している高価な自由診療をしていることを知ると、優樹菜さんの影響力はバカにならないと思います。

 ”自分もADHDかもしれないから、診断を受けようと思った”という感謝の声を紹介しましたが、それがブレインクリニックへの集客につながっていたら? もちろん他の標準治療のクリニックへ行ったかもしれませんが。

 優樹菜さんにそのような意図があったかどうかはわかりませんが、ファンの方からしたら、一気になじみやすいクリニックに思えると思います。

 ここでは賛否は論じませんが、高価な自由診療で、少なくとも学会では効果が確認されていない治療だということはお忘れなく。

今回も最後まで読んでくださってありがとうございます。感謝です!(春香拝)

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