人生の伴侶 ペットと最期まで

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B級ニュース

Kさんとみーちゃんの話

 ボランティアで月に1度お話を伺っている一人暮らしのお年寄り。Kさんと呼びましょうか。彼女は猫を飼っています。名前はみーちゃん。元はノラ猫です。実は隣の家の方がノラ猫に餌をやっているのですが、昼間は仕事で留守にしています。お隣でご飯を食べたら、Kさんの庭でくつろぐのだそうです。

 そのうちお隣の方の仕事がいそがしくなり、みーちゃんのご飯の時間に間に合わなくなりました。みーちゃんはおなかをすかせて、寂しそうにみーみー鳴いて催促したそうです。見かねたKさんは、空っぽのみーちゃんのご飯の器にキャットフードを購入して、入れてあげたそうです。

 いつの間にか、みーちゃんのご飯係はKさんとなりました。そんな折、自治会の回覧板が回りました。

野良猫に餌をやらないでください。猫のフンでお困りの方がたくさんいらっしゃいます。懐いている野良猫は捕まえて、動物愛護センターに引き取ってもらうことにします。ご協力をお願いします。   

自治会長

 Kさんは驚きました。実は、数か月前、野良猫の保護団体から、地域の野良猫は去勢、避妊して、一代限りの命になっているから、餌をあげたりしてかわいがってください、と声をかけられていたからです。

 よく聞けば、去勢、避妊している猫は、耳をカット(さくらカットという)しており、まだの猫と区別がされています。みーちゃんは。。。耳がカットされていませんでした。まずい!連れていかれる!動物愛護センターならまだしも、保健所で殺されたらどうしよう!Kさんは焦りました。

 それから何日かして、Kさんはみーちゃんが家の中に遊びに来た隙を見て、みーちゃんを閉じ込めました。外に出したら殺されるかもしれないからです。ちょっと遊びにきたはずのみーちゃんは、おどろいたことでしょう!それから3日、ずーっと声を枯らして鳴き続けたそうです。出して!出して!出して!

 心を鬼にして、Kさんはミーちゃんがどんなに鳴いても外には出しませんでした。やがて。。。あきらめたのか、みーちゃんは鳴かなくなりました。その代わり、一切Kさんにだっこをさせませんでした。

Kさんが体調を崩す

 Kさんは年を取り、自律神経が乱れ、よくめまいを起こして寝込むようになりました。私たちボランティアに依頼があったのは、自分に万一のことがあれば、猫はどうしたらいいのか、でした。

 先に回覧板が回ったように、自治会の方針は「動物愛護センターに連れていく」です。Kさんは、自分が死ぬときは別れるのは仕方ないけれど、もとはといえば、自分が勝手に野良の世界からみーちゃんを人間社会に連れ込んでおいて、無責任なことはできないといいます。

 Kさんは独り暮らしでお子さんがいません。お姉さんの息子さんがいるにはいますが、終生面倒を見るなんて無理でしょう。いずれ一人暮らしができなくなったら、施設に入所することも視野に入ります。もちろん、在宅介護を総動員して自宅介護も可能ではありますが、ペットの世話まで頼むのはヘルパーさんの仕事の範疇を超えるのと事で、難しそうです。

 どうすれば、Kさんの不安にこたえてあげられるでしょうか。

ペットと暮らせる老人ホーム

 そんな折、この記事を見つけました。

→ 特別養護老人ホームに犬10匹と猫9匹(Beyond Health)

 神奈川県横須賀市にある特別養護老人ホーム「さくらの里山科」のお話です。犬が10匹猫が9匹。今はやりの猫カフェ並みですね!一番人気は雑種の文福。この子は看取りが近いお年寄りをかぎ分けます。3日前くらいになると、見取りの近いお年寄りの部屋の前のドアに居座り、1,2日前になるとベッドで添い寝をするそうです。

 この文福、保健所でガス室で殺処分となる1日前に救い出された経験を持つそうで、仲間の犬たちが苦しんで死んでいくのを見送ってきた経験があるのです。それから死にゆくお年寄りを敏感にかぎ分けるようになったのかもしれませんね。

 こちらの「さくらの里山科」が動物と一緒に過ごせる施設になる前には、悲しい出来事がありました。人生の伴侶である犬と悲しいお別れをしたお年寄りがいたのです。彼は施設入所を進められても、犬と別れることを拒んでいました。手放していく当てのない犬が、殺処分になることを恐れたからです。

 やがて認知症になり、伴侶である犬とは別れることになり、彼は施設で泣き暮らし、半年ほどでなくなってしまいました。その経験から、この動物と一緒に過ごせる特別養護老人ホーム「さくらの里山科」は生まれました。Kさんにも、同じ悲しみは味わってほしくないものです。

全国の動物同伴の老人施設

 ためしに兵庫県で検索しますと、27件ヒットします。それでもみんなかなり高いですね。入居一時金は3000万円が平均でしょうか。年金暮らしで蓄えのないお年寄りには、無理な話ではないでしょうか。

 せめてお別れするにしても、次の飼い主につないであげたい。保健所で殺処分は勘弁してほしい。飼えなくなったペットの里親探しをしてくれる団体さんもあるのですが、血統書がついているわけでもない、人間に懐いてもいない、野良の雑種をどこまで大事にしてくれるか。。。心もとない思いです。

 年を取ってひとりになると、寂しくなります。動物のぬくもりは大きな癒しです。どうかこのような愛する動物と一緒に入所できる施設の増えることを願います。

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