難病 ミトコンドリア病の「リー脳症」を患う医療ケア児 恵美里ちゃん 小学校へ通う

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病院 B級ニュース

難病の「リー脳症」を患う医療ケア児、リチャードソン恵美里ちゃんが小学校へ入学しました。今朝、このニュースを見て、恵美里ちゃんのことも、リー脳症のことも初めて知りました。

→ 難病「リー脳症」の医療的ケア児 恵美里ちゃん、小学校に通う ←

リー脳症とは

リー脳症とは、ミトコンドリアのエネルギーを作る力が落ちて発症する、ミトコンドリア病の中の一つです。ミトコンドリアは細胞が活動するためのエネルギーを作る組織なので、産生能力が落ち、エネルギーが不足することで病気が発症します。不足する部分によって、脳症だったり心臓病だったり肝臓や腎臓だったり、全身に症状の可能性があります。

原因は主にDNAの変性によるもので、細胞核のDNAとミトコンドリアのDNAのどちらかに異変がたくさんある場合、発症するようです。リー脳症は子どもに起こる病気ですが、ミトコンドリア病には他にも様々な種類があり、大人でも発症することがあります。性別差もないようです。生まれつきのDNAによるものだけではなく、薬によって二次的にミトコンドリアの活動が低下し、発症することもあるとか。10万人に6~16人の割合で発症すると言われています。国の難病に指定されています。

→ ミトコンドリア病 ←

リー(Leigh)脳症は上記のミトコンドリア病の一つです。乳幼児期に発症し、精神運動の発達や遅れ、退行が起き、今までできていたことが出来なくなります。難治性の慢性進行性-つまり、なかなか治らずに少しずつ進行していく病気です。予後は非常に悪く、数年以内に死亡するとされています。

日本のリー脳症の患者さんを調査したところ、調査した166例中40例が死亡し、その9割が6歳までに亡くなっていました。子どもさんの病気だということです。新生児6か月までに発症した例では、全員が死亡か寝たきりになっていました。原因の遺伝子変化はいくつかあるのですが、その種類によって予後が良かったり悪かったりするようです。

→ 本邦におけるリー(Leigh)脳症の予後調査に関する研究成果の発表について ←

リー脳症とたたかう子どもたち

リー脳症は難病ですが、調べてみるといくつか病気と闘う子どもたちの話がありました。

→ ミトコンドリア病リー脳症と闘う瑠音の成長ブログ ←
→ 同じ日は二度とこないから、笑って過ごす時間を大切に。難病であるミトコンドリア病の子どもを持つmakikoさん ←

ホントに読んでいて涙が出ますね。今現在闘っている最中の子どもさん、残念ながら亡くなってしまった子どもさんの思い出。寝たきりで24時間見守りの必要な医療ケア児の子どもさん。色んな方が様々な形で病気と向き合っています。

ブログを読んでいて知りましたが、治験が進んでいるようです。ミトコンドリア病は症状を抑える対処療法が多いようですが、原因そのものにアタックするお薬も開発されてきている様子。研究が実り、ミトコンドリア病の方に希望が見いだせるよう祈っています。

ミトコンドリアの話

ミトコンドリアは、核をもつ生物の中に存在する小さな器官です。私たちは核の中に自分のDNAを持ち、その設計図に従ってタンパク質が合成されて体が作られています。ミトコンドリアはこの私たち個人のDNAとは別に、ミトコンドリアDNAと呼ばれる自前のDNAを持ち、ある程度自由に細胞内を動き回ることが出来ます。まるで別の生き物みたいですね!

→ ミトコンドリア(ウィキペディア)

ミトコンドリアの仕事は、エネルギーを作り出すことです。ミトコンドリアがいなければ、私たちの体内の細胞は生きることが出来ません。厳密にいうとミトコンドリアを使わなくても少しだけエネルギーを作り出すことはできるのですが、それはミトコンドリアの比ではありません。ミトコンドリアはエネルギーを作り出すことがとても得意な存在なのです。

またお酒を飲んだ時にできるアセトアルデヒドと呼ばれる毒を分解するのも、ミトコンドリアの仕事で、この働きが弱い人はお酒に悪酔いします。怖いことに、アポトーシスと呼ばれる細胞の「自殺」にもミトコンドリアが関わっています。DNAが傷ついてストレスを受けた時、ミトコンドリアが働きを弱めてDNAが切られてしまい、細胞は死んでしまうのです。

ミトコンドリアは別の生き物だった

ミトコンドリアはプロテオバクテリアと呼ばれる細菌が、別の細胞の核に入り込んで生まれたものと言われています。もともと別の生き物だったミトコンドリアが「寄生」した結果、出来上がった仕組みなのです。

面白いことにミトコンドリアのDNAは、普通母親からしか受け継がれません。まれに父方のDNAを排除するのに失敗することもあるので絶対ではのですが、ほとんどの場合母親のミトコンドリアDNAを受け継ぎます。普通の核のDNAは父方と母方のDNAをシャッフルして作られるので、全く新しいDNA配列が生まれますが、ミトコンドリアDNAはシャッフルされないので、同じものが受け継がれることになります。

このことを利用して、母親と親子関係があるかを調べるDNA検査にミトコンドリアが使われたりするのですが、よく考えると今何億といる人類のミトコンドリアも、ずっと昔にさかのぼればたったひとりの母親に行きつく計算になります。この「たったひとりの母親」はアフリカの女性であるらしく、彼女のことを「ミトコンドリアイブ」と呼びます。

このようにミトコンドリアは自身のDNAを変えることなく、我々の細胞の中で息づいているのです。このミトコンドリアイブの考え方を元に作られたホラー小説が「パラサイト・イブ」です。「パラサイト・イブ」は第2回日本ホラー小説大賞を受賞した瀬名秀明のホラー小説です。小説の中ではミトコンドリアが細胞のエネルギーを延々と作る役目に甘んじるのを止め、反乱を起こします。人間がミトコンドリアに乗っ取られる怖いお話ですが、ミトコンドリアイブの話を頭に置いて読むと、さらに楽しめると思います。

まとめ

ミトコンドリア病のリー脳症の話から、ミトコンドリア自身の話に飛びましたが、人間の体って不思議ですね。まだまだ難病もたくさんあり、人類の英知をもってしても完治できない病気はたくさんあります。それでも、日進月歩、たくさんの研究者の努力、患者さんの努力をもって、生きやすい未来へ続いていくことを願います。

余談ですが、本当にミトコンドリアに操られているとしたら、みなさん、どうしますか?今日食べた晩御飯も、実はミトコンドリアの指示だったりして。。。怖いですね!

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