鬱を患う人は真面目です。真面目なことはよいことなのですが、行き過ぎて融通が利かないことが多い。私自身が鬱を患い、普通に日常生活を送ることができるようになるまで、色々試したことをお話します。あなたの参考になれば幸いです。
ゼロかイチのバイアス
鬱持ちさんは、0か1、白か黒と物事を極端に見がちです。私もそうでした。
とても真面目なので、中途半端が許せないタチなんですよね。
他人に対してもそう。自分の味方なのか敵なのか、完璧に分けようとします。
それが苦しみを呼びます。
なぜなら、世の中は白か黒の2つに分けられないものが大半だから。
白でも黒でもないグレーが9割だと思っていいくらい。
鬱持ちになるくらい真面目な人は、それが気持ち悪い。我慢ならない。
白なのか黒なのか、はっきりして欲しい。
その気持ちはよくわかります。
わかりますが、鬱を軽減したいなら手放した方がいい。
その完璧さは、他人にも自分をも傷つける刃になるから。
真面目な人は自分にも厳しい。
0か1に分けたくなる。99%できてもダメ。100%完璧でなければできたうちに入らない。
そう考えがち。まあまあできているのに、切り捨てる。
100%の基準も高く、ほんの少しの傷で、それは0と同意義に落ちてしまう。
だから、”できること”が極端に少なくなり、自己評価が地に落ちる。
”自分なんてこの程度” ”価値がない”と思いがち。
曖昧さを手に入れることを心がけると、世界が変わるよ。
0か1でしか物事を見らないときは、数少ない1を探さなければならない。
0・1から0・9までの数多くのことを見ていないから、とても狭い世界を見ているの。
9割がたのものを捨てているから。
それは自分にも向いて、たくさんのことが本当はできているのに、たくさんの価値があるのに、ほとんどから目を背けて、捨ててしまう。
価値のない、何もできない自分だと思い込む。
そして周りの人にもそれは向いて、ちょっとでも嫌なところを見るや否や、”あいつは敵だ”と決めつける。
そうじゃない。完璧さを捨てれば、たくさんのできること、価値、味方、幸せなことがそこにあるのに。
曖昧さを享受しよう。あなたが楽になるために。
捨てること
断捨離、はやりましたね。あれは単なるお片付けじゃないんです。
実は、余計なものを手放すことにより、執着を断ち、心をすがすがしい状態にする、精神修養でもあります。
鬱持ちさんに対する効果としては、脳の疲れをとることにつながります。
もともと細かいことまで、深く深く悩むタチ。考えすぎるって言われませんか?
思慮深いこと自身は高い能力です。それはそのまま持っていて欲しい。あなたの強みとして。
ただ、高性能なあなたのアンテナは、時にものすごい疲れを呼ぶのです。
その疲れをとる方法の一つに、断捨離があります。
環境がすっきりしていることで、余計な思考を呼び起こさずに済むのです。
スマホの写真がごちゃごちゃ何百枚もある人は、本当に必要なものだけを残して、さっぱり消去してみてください。
ものすごくすっきりすることに気が付くと思います。
この時に、選べない場合は、本当に必要なものを選ぶ目が育っていないことが多い。
本当は、絶対に自分に必要なものってそんなに多くはない。
これは、生きる怖さにつながります。
あれもこれもないから、あれもこれも手に入れなきゃいけないのに実行できないから、生きる自信がない。
でも、生きるために必要なものってそんなにたくさんはなない、と気が付けば、強くなれるのです。
仕事でストレスを抱えすぎて病んだ人は、一時期、仕事を手放す勇気も出るでしょう。
家庭に問題がある人は、家を出ることが大きな転機になることもある。
何があなたにとって、絶対に必要なものか? それをじっくりと考えるのです。
守るものが多すぎると、精神力が持たないのです。
役目を終えたものは、感謝とともに手放しましょう。
楽になりますよ。
自分にうそをつかない
あなたは自分を偽って生きていませんか?
本当はしたくないことを、無理やり抑えこんで我慢していませんか?
もちろん、社会人として生きていく以上、全く素のまま、他人に一切の配慮もないというのはありえません。
しかし、限度というものがあります。
無意識に抑え込んだ”本当の自分”は、マグマのように心の奥底にたまって、ある日、突然、噴き出してくることがあります。
思いもよらない行動をとったり、言ってはいけないことを口を滑らせて発言したり。
これは、本当の自分が、偽りの仮面の自分に反旗を翻しているからです。
私はそんな人間じゃない! そんなことをしたいわけじゃない! と。
ユング心理学に無意識の話がありますが、無意識は私たちがコントロールできない意識の奥深い部分で、9割以上を占めます。
マグマのようにたまった本当の自分が、時に整合性のない、突発的な言動を取らせるくらいならまだよいのです。
これが体に来る人は、突然頭痛がする、動悸がする、などのパニック障害になったりします。
※パニック障害でお困りの方は、こちらのサイトがオススメ
また、抑え込む力の強い人は、無意識にたくさんの本当の自分を抑え込むことができますから、噴き出す力も人一倍。
最悪、解離現象を起こして、人格自身に整合性を失ったりします。
私は、解離性同一性障害に近い状態まで自分を追い詰めました。
鬱とは少し趣が異なりますが、鬱持ちさんの心のエネルギーが枯渇しているのは、本当の自分を生きていないことにも原因の一端があります。
可能な限り、自分に正直でいましょう。無意識のマグマをためないように。
良い子ちゃん症候群のあなたは要注意ですよ!
他人ではなく、自分で自分を認めましょう。
他人軸ではなく、自分軸で生きる
自己肯定感を高めることが大切です。
他人があなたをどう思うかをとても気にするタチの人は要注意。
そんなことより、あなたは自分をどう思っていますか?
他人が決めてくれた人生を生きるのも、他人が決めてくれた”あなたという仮面”を被るのも、もうおしまいにしませんか?
あなたが生きたい人生を生きましょう。
もし、自分が生きたい人生って何?と思う人は、まず、それを考えることから始めてください。
今まで、他人の眼ばかり気にして、自分の思いを感じてこなかった証拠ですから。
少し話がずれますが、自分の思いを大切にしていないと、体は病気という形でサインを出すそうです。
この考え方を提唱しているのは、おのころ心平さん。
体と心のつながりは強いから、体が病気という形で心を表現することがあります。
心の治療ができれば、その体面側表現である病気が癒える。そんな経験談が豊富です。
以前はまぐまぐで無料のメルマガを配信しておられたのですが、現在は上記のブログで活躍されておられるようです。
※こちらの本がよくわかります。「病気は才能」おのころ心平著
精神と体の関係は、最近、多くの方がその密接な関係を唱えていますが、ここでは話がぶれるのでこのあたりにしておきますね。
面白いのは、精神の居所である脳は、善悪の判断ができないのです。
無意識に湧いてくるイケナイ願望を抑えてくれるのは、理性の力ですが、無理やり抑えこむと先にお話ししたように、無意識の強烈なマグマにやられます。
納得して、ひとつひとつ意味づけして、整理していく術が必要なんですよ。
脳は損か得かはわかりますので、イケナイことをして他人に迷惑をかけ、社会人として生きづらくなるのは、自分にとって損である!と言い聞かせるとよく納得してくれるようです(笑)
幼い子供に教え込むように、自分の無意識に語りかけ、本気で納得して生き方を選んでくださいね。
まだまだ歴史の浅い理性の脳である大脳新皮質(理性)よりも、古い大脳旧皮質(本能=動物脳)や脳幹(生存=爬虫類脳)の方が強いのです。
強烈に自己主張の強い幼子に、噛んで含めるように諭してください。
いきなり大人の理論を振りかざし、抑え込むと反発してきますからね。
信じるものを持つ
大人になると、すべてを自分で決めなければなりません。
小さな班の班長にしたって、トップの重圧というのは大きいものです。班長と副班長では責任の重さも重圧も違いますよね。
自分の人生の主人公は、もちろん自分自身です。
しかし、時にそれが重荷になることがあります。
誰かにどうしたらよいか教えて欲しい。これでいいよと言ってほしい。
この思いの強い人は、時にあれこれ愚痴を言いすぎたり、いちいち細かい指示を仰いだりして、重いと嫌がられることがあります。
本来は甘えたい気持ちが強いのに、一生懸命自立しようと頑張っている人に、この傾向は多いです。
普段、我慢して甘えを抑えているので、不安になってしまうと限界がわからず、無制限に甘えを許してくれる人に頼ってしまうのです。
それまでの人間関係を壊すことも多くあります。
頼られる方だって人間。それに今まで強かった人が際限なく甘え倒してくるのに、驚きもするでしょう。
そして、”また捨てられた”と傷つくことを繰り返すことになります。
甘え下手から来るのですけどね。普段から上手に甘えを小出しにしていれば、これは防げます。
これも訓練次第ですね。できないことはできないと、上手に甘えることを覚えることです。
決してためこんで、籍を切ったように全力で甘え倒してはいけません。
あくまで小出しに、相手に迷惑にならない限度に、少しだけ助けてもらうのがコツです。
※自立と甘えについては、こちらのメルマガが詳しいです
本題に戻りますが、不安な時、信じられる存在がある人はとても強いです。
何か信仰を持たれている方は、ご自身の信じる神様や仏様でいいです。
信仰のない方は、ご先祖様でも、死んでしまったおばあちゃんでも、お天道様でもいいです。
そういう高次の存在に時に自分を託すと楽になります。
別に何か急に信仰をする必要はありませんのでね。
自分が班長さんから、副班長さんに降りると楽になるのと同じ理論です。
また、そういう存在を作ることで、自分にいい意味で厳しくできる効果もあります。
昔は、お天道様が見てるよ!なんて子供を叱ったものです。同じことですね。
たとえあなたが今、天涯孤独で友達もいなかったとしても、決して裏切らない唯一の味方を作ってしまうのです。心の中に。これは、強いですよ。
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以上、生きやすくなるための処方箋5選、お届けしました。
いずれも私が自分でなるほどなと思ったものばかりです。あなたの参考になれば幸いです。
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