【人食いバクテリア】劇症性連鎖球菌感染症が増えている
人食いバクテリアという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
人食いバクテリアとは、その恐ろしい名前の通り、発症すると数日で血管や神経などが壊死し、内臓に致命的なダメージを与え、手足が壊死し、ショック状態になって死亡する細菌です。
正式な名前を溶血性連鎖球菌というのですが、意外にどこにでもいる細菌なのです。
ガーデニングをしていますと、手に付着します。
皮膚上にくっついても、普通は何も悪さをしません。
喉の痛みの原因になったりもしますが、普通はそこまでです。
劇症化して【人食いバクテリア】となるのは、稀なことなのです。
しかし、最近になって、東京や大阪などの都心部で、この【人食いバクテリア】劇症型溶血性連鎖球菌感染症の患者さんが増えているというのです。
【人食いバクテリア】の症状は
【人食いバクテリア】と化す、溶血性連鎖球菌は、皮膚や喉などに付着する、ごくありふれた細菌です。
空気中の細菌を吸い込んで、鼻や喉の粘膜に付着したり、手足の小さな傷口から、体内に入り込みます。
そして、稀に劇症化することがあります。
初期症状は、38度程度の発熱、手足の痛みや腫れなど。
進行は大変早く、筋肉や筋膜を壊死させ、血液に乗って全身に広がり、あっという間に多臓器不全を引き起こし、ショック状態となります。
致死率は、30%に上ります。
「発症すると手足が急速に腫れ上がり1時間に数㎝というスピードで腐っていくため、俗に『人食いバクテリア』と呼ばれています。壊死を食い止めるには、患部を切断するしかありません。数時間という短い期間に重篤化し亡くなるケースもある。致死率は30%にのぼります」 (医療ガバナンス研究所理事長の上(かみ)昌広氏) 出典:フライデーオンライン
日本で初めてこの【人食いバクテリア】の症例が確認されたのは、1992年のことで、それから毎年、数百人単位で感染が確認されています。
【人食いバクテリア】に感染しないためには
この恐ろしい【人食いバクテリア】に感染しないためには、手や足にどんなに小さくても傷があるときは、プールや温泉などは避けることです。
また、ガーデニングなどで土いじりをするときは、手の傷に土が触れないように、手袋などをするのがいいでしょう。
傷口から、最近が入り込むことを、徹底的に防ぐこと。
そして、手足を消毒したり、石鹸できれいに洗うことも有効だとされています。
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手足への付着以外の、もうひとつの感染経路は呼吸器です。
くしゃみの飛沫で飛び散り、それを吸い込むことで、鼻や喉の粘膜に付着します。
コロナ禍でのマスク生活で、免疫が落ちたことと、感染対策が軽くなったことで、この【人食いバクテリア】にも感染しやすくなっているのかもしれません。
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溶血性連鎖球菌は、免疫細胞に察知されないように、センサーを阻害する特殊な物質を出します。
このせいで、体内の免疫を突破し、血流にのって、あっという間に体中で増殖します。
最近、この仕組みが解明されてきたので、この特殊な阻害物質を阻止することが出来れば、【人食いバクテリア】に対抗できるようになるかもしれませんね。
しかし、今のところは、感染してからでは、多臓器不全や、手足の壊死を食い止めることは至難の業です。
ペニシリン系の薬を大量投与する治療が行われますが、発見が遅ければ、攻撃された内臓を摘出したり、壊死した手足を切り落とすことになるでしょう。
日本で起きた【人食いバクテリア】の感染症例
愛知県の23歳の主婦が、幼い息子と遊んでいて、子供に手をかまれました。
実は、3割の子どもの喉には、時に【人食いバクテリア】と化す、溶血性連鎖球菌がいるのです。
この主婦も、子供に手をかまれた時に、連鎖球菌が傷口から、体内に入ったものと思われます。
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通常は、自身の免疫で対処できるのですが、この時は、彼女は疲れていたため、免疫が落ちていたのかもしれません。
子どもに手をかまれて一週間後、最初は強い腰痛があり、そして突然の高熱。
この段階ですぐに病院に行き、検査をしたため、早い段階で、【人食いバクテリア】だと判明しました。
彼女は、破壊された卵巣と卵管を摘出する羽目になりました。
それでも、致死率30%の【人食いバクテリア】に感染して、無事に生還できたことは幸運だったかもしれません。
イギリスで【人食いバクテリア】に感染した女性
ザ・世界仰天ニュースで放映されたものです。
イギリスの主婦、ドナ・コーデンさんは、お茶を入れようとして、誤って顔を強くぶつけ、眉毛の上を数針縫うけがをします。
翌日、強い頭痛がし、目のまわりは青く腫れあがってきました。
骨折を疑って、整形外科を受診するも、骨に異常はありません。
やがて痛みは頭だけでなく、体中に広がり、手足に震えも起きます。
意識がもうろうとし、彼女は総合病院に運ばれました。
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感染初期に抗生物質による治療が出来なかったため、彼女の顔左半分に壊死が広がり、全身にそれが広がるのを阻止するため、顔の筋肉が露出するほど、深く切り取らなければなりません。
彼女は一命はとりとめましたが、顔の左半分を失いました。
それで、太ももの組織を取り、11時間もかけて、顔の再建手術を行いました。
この後も、何度か見た目を回復するための手術を受ける予定とのことです。
まとめ
もし、あなたが【人食いバクテリア】に感染したら、すぐに抗生物質による治療を受けなければなりません。
傷口がいつまでも治らず、痛みがひどくなったり、高熱が出たりするときは、早めに病院で血液検査を受けましょう。
【人食いバクテリア】は、あなたのすぐそばにいます。
普段はおとなしい、子どもの喉に住んでいるような細菌ですが、いざ牙をむかれたときは命取りになりかねません。
十分に、ご注意くださいね!
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