逮捕された田口容疑者
昨日5/18、山口県阿武町の新型コロナウィルス対策関連の給付金4630万円が、誤って振り込まれた男性が、電子計算機使用詐欺容疑で逮捕されました。
自分のものではないと明らかにわかっているお金を、あたかも自分のもののように装って、スマホを使い、別の金融機関の口座に振り込んだことに対する罪ということです。
実名と住所、顔写真も公開されました。田口翔容疑者です。
田口容疑者は、報道では、パチンコ依存症のキライがあり、山口県の空き家を利用して定住するシステムを使って移住してきたそうで、もしかすると、本人なりに、依存症から立ち直ろうとしたのかもしれません。何か問題があって、地元から逃げた可能性もありますが。
ギャンブル依存症の人間にとって、目の前に突如現れた大金は、あらがえない魅力があったのかもしれません。あの時、道を踏み外さないでくれたらよかったのにと切に思います。
女性セブンの話では、田口容疑者は、一度は町の職員の訪問時、組み戻しに同意しつつも、ずるずると引き延ばし、「風呂に入るから1時間待ってくれ」とか、「銀行に行くには印鑑が必要」と100円ショップに寄り道するなど、不可解な行動をとったそうです。この話を聞くと、詐欺罪はやむを得ないかとも思います。悪質性がありますよね。
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弁護士を通し、謝罪と返還の意思を示していたので、逮捕まではないかと思ったのですが。現在は、電子計算機使用詐欺罪の容疑ですが、併せて窃盗罪も加味されるかもしれませんね。
田口容疑者は、すでにお金を使い切っており(貯金残高6万円ほど)、財産らしきものも所有していないとのことで、返済は難しいと思います。毎月少しずつ返済するとはいっても、現在、無職の田口容疑者には、それも難しいでしょう。
ギャンブルでも自己破産が認められるケースはありますが、浪費があまりにも激しい場合は、認められないそうなので、今回は、公金を使い込んでの詐欺もからみ、認められない公算が高いでしょう。
借金は負い続けますが、事実上、返済は不可能な状態ではないかと思います。
女性セブンでの記事が事実だとすれば、最初から返金の意思はなく、組み戻しを引き延ばしている間にお金を動かしてしまおうとした悪意が見えますから、あとで懲役刑を数年喰らっても、結局のところお金は取れると思ったのか、自己破産が認められると思ったのか、はたまた何も考えてなかったのか。
ここまで頭の回る人物なら、「謝罪と返済の意思」も、罪を軽くするための演技の可能性も出てきます。それが事実なら、一筋縄ではいかない、詐欺師、ということになりますね。
逮捕その後
報道を見ている限りでは、田口容疑者はギャンブル依存症だと思われます。地元での素行があまり良くなかったようですが、山口県での空き家のオーナーの印象は良かったようで、立ち直ろうとしたのかもしれません。
公金に対する借財は返せる範囲でしか、町は取り返せない可能性がありますが、まずは、田口容疑者に必要なのは、ギャンブル依存症の治療ではないかと思います。
誤送金した公金をすべて取り返すのは、おそらく無理でしょうから、町としては、実刑を望むかもしれません。報道では懲役3年程度はあるのではないかとのことです。犯した罪を償うのは必要なことですし、本人も「罪は償う」との言葉もありますから、それはいいとして、その後、田口容疑者はどうするのでしょうか?
現在は仕事も辞めて無職とのことですが、出所後、仕事につくのは並大抵のことではないと思います。真面目に罪を悔い改めて、模範囚となった場合ですら、一度ついた世間の冷たい目からは逃れられません。
これは、犯罪者を繰り返し生み続ける原因であると、私は常々思っています。出所した元受刑囚が本当に真人間になったかどうかなんて、普通の人にはわかりませんから、怖いのは当たり前です。何か、元受刑囚が、再び社会の信用を取り戻し、普通の生活に戻れるよう、クッションになる制度は必要だと思います。
同時に、ギャンブル依存や薬物依存の場合、受刑中に、しっかり治療することが必須ではないかと思います。治療ができないと、何度捕まっても、同じことを繰り返すことになりますから。そうやって、依存症患者を減らすことが、社会全体を利することにもなりますので。
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